「パーティー禁止」掲げる立憲、迷走の果てに謝罪 「本気度を疑わせる無定見な言動」で混乱

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ただ、立憲はかねて、「パーティー禁止などは各党同じ条件、同じタイミングで行うべきだ」と主張していた。だからこそ、岡田、大串両氏も、「法改正前の開催は、資金集めのための当然の権利」と解釈し、パーティー開催を強行する構えだったとみられる。

これについて岡田氏は「(これまでの解釈に)自分自身がより縛られてしまった」と言い訳したが、党内には「何を言っているかわからない。トップがこれでは、わが党への追い風が向かい風に変わりかねない」(若手)などの動揺や不安が広がる。

そうした中、かねてパーティー禁止法案に批判的だった小沢一郎氏は28日、記者団の取材に対し「通らない前提で法案を出しているということだ。党の意思で法案を出したんだから、その時点で(パーティーは)なしだ。(法案が)通過するまではやれ、というのは、警察が来るまで盗っ人やれ、みたいな話だ」と口を極めて執行部を批判したと報じられている。

岡田氏が反論して「党内対立」を露呈

これに対し、岡田氏はその後記者会見で「(小沢氏は)総会に出てきていない。どう私が意見集約したかをわかっていたらそんな発言にはならない」と反論。ただこれは、党内の意見対立を内外に露呈した格好で、「旧民主党以来の悪癖はまったく変わっていない」(政治ジャーナリスト)との厳しい指摘にさらされる結果となった。

ここにきて立憲民主は4・28トリプル補選に続き、5・26静岡知事選での与野党対決を制するなど、連戦連勝で勢いに乗り、7月7日投開票の東京都知事選にも蓮舫元民進党代表を押し立て、小池百合子都知事の3選阻止を狙っている。

そうした中の今回の岡田氏らの迷走に、立憲内部からも「各種世論調査では次期衆院選で政権交代を求める声が急拡大しているのに、立憲民主の政権担当能力への国民不信が、自公政権の延命につながるのでは」(閣僚経験者)との声が漏れてくる。

こうした状況も踏まえ、立憲との反目が続く日本維新の会は、馬場伸幸代表が情報番組などで「自公が過半数割れしても比較多数のままなら、連立や閣外協力、政策でのパーシャルな連合など、与党入りの選択肢もあり得る」と意味ありげに語った。

それだけに、岡田氏らの迷走で自民の巨額裏金事件への国民の猛批判を踏まえての規正法改正の与野党協議で立憲の主導権が失われれば、「立憲にとって次期衆院選への大きなダメージになる」(政治ジャーナリスト)ことは避けられそうもない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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