通常国会召集から間もなく1カ月、自民党の巨額裏金事件を受けての「政治改革」を巡る与野党攻防は、週明けから最初のヤマ場を迎える。野党側は2024年度予算案を“人質”に「裏金議員」の衆院政治倫理審査会への出席を迫り、岸田文雄首相や自民党執行部も野党要求に応ずるべく党内調整を進める構えだが、当事者の反発もあって難航必至だ。
当面の焦点は、安倍、二階両派(いずれも派閥解散)幹部の政倫審出席問題の行方。野党側は、いわゆる安倍派「5人衆」と二階俊博元幹事長の政倫審出席を「最低目標」とし、自民の「確約」が得られなければ、2024年度政府予算の年度内成立が確定する3月1日までの同予算案の衆院通過を阻止する構え。
これまでの衆院予算委での与野党論戦で、岸田首相は「政倫審出席は国会が決めること」と建前論を繰り返すが、水面下では5人衆や二階氏の政倫審出席応諾に向け“圧力”をかけているとされる。これに対し、5人衆の多くは「(出席の)ルールが決まれば、それを踏まえて対応する」と与野党交渉を見極める構えだが、二階氏は不快感を隠さない。このため、今後の党内調整は「厳しい状況」(自民国対)が続きそうだ。
「条件設定」を求める5人衆、二階氏は不快感
与野党は先週末の16日、衆院での政倫審開催に向け、国会内で幹事懇談会を開いて意見交換した。この幹事懇には自民、公明両党と、立憲民主、日本維新の会、共産の野党3党の幹事らが出席し、野党側は、自民の聞き取り調査の対象となった85人(安倍派79人、二階派6人)のうちの衆院議員51人の政倫審出席と、15日に自民が明らかにした両派議員らに対する聞き取り調査で、匿名にされていた議員名の公表を求めた。
これに対し、自民側は踏み込んだ回答を避け、丹羽秀樹・自民筆頭幹事は「私が開催したいからと言って、開催できるものではない」として今週明け以降に協議を先送りした。
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