海外進出のキモは現地習慣の体得と手ごろな価格設定--仏ダノン・ファベールCOO


 2つ目は、手に入りやすい価格を設定する事だ。先進国のコストや文化感覚では、現地に合う価格帯の商品をつくる事はできない。大量に売って商品を浸透させていくためには、考え方をかえる必要がある。

われわれは、いわゆるBOP(ベースオブピラミット)の最下層である過半数を超える貧困層に向けた商品開発にも注力している。貧困層を考えずに、1~2%の最も裕福な層しか相手にしないのでは、様々なチャンスを逃す事になる。もし、先進国のメーカーが新興国に入る場合、例えばインドネシアで1億人に売りたければ、先進国のモデルとは全く違う形を考えなくてはならない。

 これまでに述べた2点をクリアしたうえでの話だが、3点目としては現地採用の経営者を育成する必要がある。そこで初めて現地に根づく企業になる。

--中国やロシア以外にも、世界にはまだまだ経済成長の可能性を持った国や地域があります。

5~10年先になるが、まだ参入していない若年層人口を多くかかえる有望な国がいくつもある。バングラディッシュ、パキスタン、ナイジェリア、フィリピンなどだ。また、アフリカには、10億人規模のわれわれがまだ参入していない市場も残っている。今後はこのような国で積極的にビジネス展開をしていくことになるだろう。

——かつて「エビアン」ブランドを日本の大手飲料メーカーに売却するといった報道もありました。

 それは何の事実にも基づいていない。われわれは今後も「エビアン」ブランドを育てていく。世界的なブランド、「エビアン」に誇りももっている。売却はしない。

 ——ヤクルトの最大株主としてのスタンスは。たとえば今後、事業を買収する可能性はありますか。

 ダノンは10年前からヤクルトに投資しており、今後も戦略投資を続ける。ヤクルトとは、乳酸菌など人体に有益な作用をもたらす生きた微生物であるプロバイオティックスを共同で開発するなどの提携関係がある。今後も協力のチャンスがあれば、どんどん広げていきたい。だが、ヤクルトの独自性を尊重しており、ヤクルトの事業を買収する事は今後も考えていない。

(張 子渓 =東洋経済オンライン、撮影=梅谷 秀司)

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