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西武が売却?「赤プリ跡地の施設」失敗の本質理由 多様性を求めると、商業施設はパッとしなくなる

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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でも、そうした利用をする人からすると、普段使いできる店が特段多かったり、種類が豊富だったりするわけでもなく、施設全体としては使いにくい。逆に観光客からしても、ちょっと良い店が数店舗集まっているだけなので、だったら他の施設に行くか……となる。中途半端なのだ。

自慢の庭園もそう。庭園自体は広くて良いのだ。とても過ごしやすい。でも、すぐそばには高層ビルが建っていて、完全に開放感があるかといえば、そうでもない。

広くて過ごしやすい庭園。しかし、高層ビルはさすがに見えるので、新宿御苑などと比較すると見劣りしてしまい、目的地にはなりにくそうだ(筆者撮影)

また、ちょっと横のサイドウォークのようなところを歩くと、江戸時代のお堀と城壁跡、そして首都高速が一望できる眺めの良い場所があるのだが、そこの周辺は草が生い茂り、暗くなっていて、なんというか、あまり景色を楽しませるようなものになっていない。「だれのために」「どんな施設にするのか」という世界観がないのだ。

眺望は非常にいいはずなのだが、「こういうふうに楽しんでね」といった意図は感じられない(筆者撮影)
随所にあるパブリックアート。アート作品自体はとてもいい感じなのだが、「東京ガーデンテラス紀尾井町」自体のコンセプトがぼやっとしているので、いまいち響いてこない印象だ(筆者撮影)

世界観がないことは、つまり「パッとしない」ことを意味する。「赤プリ」のイメージに負けてしまう理由が、ここにある。

若者ニーズにフォーカスした施設「ハラカド」

さて、ここまで説明すると、2つ目の理由も明らかだ。

「誰のために」「何をするのか」が決まっていない世界観が見えない施設は、はっきり言えば、「顧客ニーズ」を満たすことができない。

それもそのはず。おそらく、そもそも「顧客」が見えていない。だから世界観も作れないし、顧客ニーズも満たすことができない。

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【「若者の誘致」を明確に感じさせるハラカド】

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