西武が売却?「赤プリ跡地の施設」失敗の本質理由 多様性を求めると、商業施設はパッとしなくなる
でも、そうした利用をする人からすると、普段使いできる店が特段多かったり、種類が豊富だったりするわけでもなく、施設全体としては使いにくい。逆に観光客からしても、ちょっと良い店が数店舗集まっているだけなので、だったら他の施設に行くか……となる。中途半端なのだ。
自慢の庭園もそう。庭園自体は広くて良いのだ。とても過ごしやすい。でも、すぐそばには高層ビルが建っていて、完全に開放感があるかといえば、そうでもない。
また、ちょっと横のサイドウォークのようなところを歩くと、江戸時代のお堀と城壁跡、そして首都高速が一望できる眺めの良い場所があるのだが、そこの周辺は草が生い茂り、暗くなっていて、なんというか、あまり景色を楽しませるようなものになっていない。「だれのために」「どんな施設にするのか」という世界観がないのだ。
世界観がないことは、つまり「パッとしない」ことを意味する。「赤プリ」のイメージに負けてしまう理由が、ここにある。
若者ニーズにフォーカスした施設「ハラカド」
さて、ここまで説明すると、2つ目の理由も明らかだ。
「誰のために」「何をするのか」が決まっていない世界観が見えない施設は、はっきり言えば、「顧客ニーズ」を満たすことができない。
それもそのはず。おそらく、そもそも「顧客」が見えていない。だから世界観も作れないし、顧客ニーズも満たすことができない。
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