新しいことに挑戦、多くの人が間違える始め方 習慣化しようとする人の4割が最初の7日間で挫折

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よく「目標は大きいほどいい」とはいいますが、本稿では3週間で習慣化するために、あえて大きな目標は設定しないようにします。たとえばTOEICで200点の人が「1年後に900点を目指す」、全く運動していない人が「毎日ジョギングを1時間する」という目標をいきなり掲げるのは、習慣化のためには危険かもしれません。

自己効力感はあくまでも主観なので、心の底から「できる」と信じられれば問題ありません。ただ、理想の姿をありありと掲げていても、自分の気持ちの中に「ちょっとできそうもないな」という気持ちがあると継続は簡単ではなくなります。

自己効力感の低下が挫折を引き起こすと、これが悪循環を生むことがあります。挫折が続くと、再び同じ目標に取り組むことへの抵抗感が増し、過去の失敗経験が新たな目標に対する自己効力感を低下させます。

「どうせまたダメだろう」となって、どう頑張っても無理な状況に陥ってしまうケースはあなたも経験があるはずです。これが積み重なり、継続的な挫折が自己効力感の悪化を招くことがあります。習慣化に向けて何かをしようという気すら起きなくなるのです。

小さな成功体験を積んで、自己効力感を高める

みなさんの中には「私は運動経験が全くないけれども、明日から毎朝1時間、絶対にジョギングできる」のように、自己効力感が高い人もいるでしょうが、それはまれな例でしょう。

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多くの人が無理なく自己効力感を高めるにはささやかであっても成功体験が非常に重要になります。小さな成功であっても自分の能力を実感することにつながり、自己効力感が向上します。

反対に、失敗が続くと、自分の能力に対する信念が揺らぎ、将来の成功に対する期待が低下します。

ですから、習慣化にこれまで失敗してきた人は大きさにこだわらずに成功体験を積むことが、挫折を克服し、自己効力感を回復させる重要な手段になります。たとえば何年も7時に起きている人が「今年は早起きする。5時に起きる」という目標をいきなり立てるのはおすすめしません。「今月は6時50分に起きる」のように実現可能性が高い目標を立てて成功体験を積むことが重要になります。

そうすることで自己効力感も高まり、最終的には5時に起きられ、目標を達成できたという自信をつかむことができます。

名郷根 修 エグゼクティブ・コーチ/株式会社ハイパフォーマンス代表取締役

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なごね しゅう / Shu Nagone

エグゼクティブ・コーチ/株式会社ハイパフォーマンス代表取締役。Rotterdam School of Management, Erasmus University 経営学修士 (MBA)。1978年生まれ、岩手県出身。米国戦略コンサルティングファーム、グローバル医療機器メーカーで勤務経験後、世界一の戦略コーチであり、Strategic Coach社を創設したダン・サリヴァン氏に師事し、同社が提供している10x Ambition Programを卒業した唯一の日本人。現在、「コーチング」と「認知科学」の掛け合わせにより、再現性の高いコーチングを提供する株式会社ハイパフォーマンスを経営するのと同時に、3社の会社経営に携わっている。

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