新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢

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「PTSD(心的外傷後ストレス障害)になり、朝5時くらいに陽が昇ってから睡眠薬を飲んで寝る生活が続いた」とも語るように、大変な思いをした天山さんでしたが、その困難を乗り越えてからは一生懸命に勉強をしたそうです。

「なんとしてもフランス語と、英語を身につけて帰らなければ来た意味がないと思っていたので、ものすごく勉強しました。自分でも自主的に勉強したのに加えて、現地の友達とホストファミリーとたくさんフランス語で話しました。英語も、アメリカ、ドイツ、イタリアなど各国から集まる同じ教室に通っていた留学生と話すことで、1年の最後のほうは、英語もフランス語もよくわかるようになっていました」

おしゃ浪 濱井正吾 浪人
現地で参加した留学生交流イベント(写真:天山さん提供)

こうして彼は1年の留学生活を終えて、日本に戻ってきました。

早稲田の国際教養学部を目指して『2浪』目

留学の最中に彼は、早稲田大学の国際教養学部に絶対に行きたいと思うようになります。

「ほかの国から来ていた留学生は、みんな自分の1~2歳下の子達でしたが、ものすごく優秀で、トリリンガルが当たり前でした。彼らに刺激を受けて、自分も海外の大学に行こうと思ったのですが、金額的なところで現実的に難しいとも考えました。そこで、英語で勉強できて、留学ももう1回できる、さまざまなことを学べる大学を考えたとき、早稲田の国際教養がとてもいいと思ったのです」

とはいえ、日本に帰るのが12月末なので、一般入試の対策は間に合わないと判断し、断念します。そこで、自身の能力にあった選抜方式を調べていたところ、AO入試に思い当たったそうです。

「帰ってきてからは社会奉仕連合団体のボランティアをする傍ら、朝6時から10時までコンビニで働いて、名古屋の予備校の夏期講習を受けるお金を貯め、空いた時間はずっと毎日夜まで自宅浪人をしていました。

国際教養学部が求めているAO入試の能力水準がわからなかったのですが、一般入試の要項を見ていると、英検1級かTOEFL iBTで95点以上を持っていたら加点されるので、これが求められている能力水準だと判断しました。この指針をもとに勉強を続けて、夏には英検1級とTOEFL iBTで97点を取ることができたのです」

夏に早稲田の国際教養学部のAO入試に特化した講座を受講した天山さんは、その後も受験対策として英語のエッセイライティングを続ける日々を過ごします。

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