新しい浪人「おしゃ浪」海外で難関大目指す新勢力 「おしゃれ浪人」という浪人の新たな選択肢
「この浪人をして日本の大学に行く人は必ずしも裕福な家庭ではありません。日本で浪人をしようと思ったら1年で数百万円単位もの、ものすごい予備校費用がかかります。でも、制度を駆使して海外でホームステイをするこの浪人方式を使えば、その半額の値段で済む場合もあります。
日本で都会の有名大学に一般入試で入ろうとしたら、地方在住の子どもたちは、小さい頃から高額の塾で勉強をしてきた都会の子に勝つのは難しいと言わざるをえません。しかし、『おしゃ浪』はむしろ、地方の子でも、自分で情報を得て戦略を工夫することさえできれば、入試で勝つことができる手段なのです」
おしゃ浪を経て、早稲田に合格
今回は実際に東海地区のある地方都市から、フランスで学んだ1年の「おしゃ浪」期間を経て、20歳で早稲田大学の国際教養学部に進学した天山(仮名)さんにお話を伺うことができました。
天山さんはすべて英語で授業を行う、早稲田大学の国際教養学部の出身です。英語・フランス語に堪能で、大学入学前に英検1級を所持しているトリリンガル。一見、都心部の豊富な文化資本のある家庭で人生を歩んできたように思われるかもしれない彼は、実は海辺に面した田舎町に生まれた3人兄弟の真ん中で、高校まで公立に通っていました。
「人口約3万人の典型的な地方都市に生まれ育ちました。両親はどちらも高校を出てすぐ働いて、家計を支えてくれました。私自身はずっと競泳をやっていって、週6回学校が終わってから練習していました。オリンピックでメダルを取るような選手になりたいと思っていたので、中学受験も高校受験の時も、塾に通って勉強ばかりしていたわけではありません」
とはいえ、学校の成績はよかったようで、中学では学年300人中50番程度の成績を確保し、評定平均も45点満点で42点あったそうです。
「定期テストと部活だけやっていた」と語る文武両道の中学生は、推薦入試で高校に進学し、高校でも学校が終わると水泳に打ち込む日々を続けていました。
しかし、全国的にも競泳のレベルが高い愛知県内の選手と戦ううちに、現実を知っていくことになります。
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