悪意ゼロの「老害」と上手につきあう2つのコツ お互いに歩み寄れる「妥協点」は必ずあるはず

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「違う違う。そのマシンは20回2セットよりも、10回3セットのほうが効果的なんだよ。ほら、やってみな。お兄ちゃん、初心者だよな?」

そのほかにも、使用するマシンの理想的な順番や、自分に合ったベストの負荷(重り)の探し方など、次から次へと助言をしてきたといいます。Nさんからは、何も尋ねていないのに。

Oさんは満面の笑みを浮かべ、「わからないことがあれば、なんでも俺に聞きな」と"ダメ押し"をしてきました。

(出所:『「老害の人」にならないコツ』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

「Oさんのアドバイスが的確かつ、僕自身も納得のいくものであれば問題なかったのですが、どれもこれもピントがズレている印象で、現役インストラクターの友人の話と違う点も多々ありました」

これがNさんの正直な心境です。だからといって、状況的に無視をするわけにはいきませんし、「それは間違っています」とシビアに反論することもできません。

Nさんは「あ、ありがとうございます」と答えるしかなく、Oさんの視界のなかにいるときは、言われたとおりにトレーニングしている"ふり"をするしかありませんでした。ペースが乱されてしまい、トレーニングには身が入りません。はっきりいって、うっとうしかったそうです。

「100%善意の老害」ということもある

若い人からしてみたら、Oさんは「老害」以外のなにものでもないでしょう。おせっかいにもほどがありますからね。なかなかの老害レベルです。

でも、これだけは理解しておく必要があります。Oさんはおそらく100%善意でやっています。悪意はゼロ。若者を助けてあげようという親切心に満ちあふれているはずです。

仮に相手が若い女性だったとしても、下心はいっさいなしに、同じようにアドバイスを送っていたことでしょう。Oさんのような人は、まさにそういうタイプなのです。

今の若い人たち、とりわけデジタルネイティブといわれる世代は、あらゆる情報を自分で調べ、そのなかから有益なものを選び抜くスキルを持っています。キャリア豊富な年長者よりも詳しかったり、最新最適の情報を持っていたり、というケースも珍しくありません。

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