「迷ったり悩んだりしたときは」"禅の力"に頼ろう ちょっとした不満も心の持ちようで何とかなる

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このエピソードを通して禅師は、「迷いを去って大悟するのに、この修行のしかたでなければいけないというものはない。どの道を行っても、しっかり修行して、真実を見る目を養えば、必ず大悟の境地に達する」と説いているのです。

何かに行き詰まり、自らの進むべき道がわからなくなったようなときは、まず「この道しかない」という思い込みを捨てましょう。

そうすると視野が広がり、ほかにもさまざまな道があることに気づきます。1つの道がダメなら、ほかの道を行ってみればいいだけのこと。ゴールさえ見失わなければ、大丈夫です。

富士山にもいろんな登山口があるように、何事を成すにも1つの入り口にこだわることはありません。行き詰まったら、多様なアプローチを試みてください。

変化を恐れてはいけない

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」――「いいことも悪いこともいつか終わる」という禅の教え

「諸行無常」は、仏教の根本思想の1つ。「この世で起こることは一切合切が、片時もとどまっていない」という教えです。

たとえば生まれた命は、日々刻々と変化しながら、やがて死を迎えます。自分を取り巻く環境も、毎日の出来事も、常に変化しています。

ところが人間というのは、なぜか「変化」を受け入れるのが苦手です。うまくいっているときも、うまくいっていないときも「この状況がずっと続く」ように思い込みがち。「無常」に逆らう考え方をしてしまうのです。

しかし逆らおうと、どんなにジタバタしても、「無常」の流れを変えることはできません。それは真理だからです。ですからまずは「無常」を受け入れましょう。その流れのままに身を任せるのです。

そうして「諸行無常。いいことも、悪いことも、いつまでも続かない」と考えを切り替えた瞬間、物事はいい方向に向かっていきます。と同時に、いいこと続きで有頂天になることも、不運続きで落ち込むこともなくなります。心が穏やかになるのです。

「真玉泥中異(しんぎょくでいちゅうにいなり)」――「落ち込むのは後回しにせよ」という禅の教え

「本物の宝石は、たとえ泥のなかにあっても、その輝きは失われない」と説くこの禅語から受け取るべきメッセージは、「私たち1人ひとりが持っている本来の輝きは、どんな状況でも色褪せることはない」ということです。

いま置かれている状況に不満がある人は少なくないでしょう。わが身の不運・不遇を嘆く人もおられるかと思います。

けれども、それによって「自分はダメ人間だ」などと落ち込む必要は、まったくありません。

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