この禅語はそのための1つの方法として、「お茶を飲んで、ひと息入れてはどうですか」と教えてくれます。
とくに怒りっぽい人や、パニックに陥りやすい人は、「上手にひと息入れる」ことを覚えたほうがいいでしょう。心に余裕がないまま行動してしまうと、さらに余裕がなくなるという悪循環に陥ってしまうからです。
休む時間を惜しまず、ゆっくりお茶でも飲みながら、態勢を立て直す。それが、仕事を進めるうえで、一番効率的といえます。
まさにお茶は、「頭の切り替えをうながす妙薬」なのです。
うまくいかないときの対処法
禅語に「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」というものがあります。
人はみんな、何も持たずに生まれてきます。まさに「無一物」だったのです。死んでゆくときも同じ。生前得たすべての物をこの世に置いて、「無一物」のままあの世に旅立ちます。
そう考えると、いまのポジションも、年収も、仕事の成果も、家も、洋服も、何もかもに対する執着が消えていくのではないでしょうか。「すべてを失ったところで、人間の本来の姿に戻るだけ」と割り切ることができます。
もっとうれしいのは、「無一物中無尽蔵」という禅語。
「何もない」とはつまり、この先に無限の可能性が広がっていることだ、というのです。
みなさんも何かうまくいかないことがあっても、悩む必要はありません。「裸一貫に戻るだけ。その先は何者にでもなれる可能性が開けている」と心を切り替えましょう。前を向いて、力強い一歩を踏み出すことができます。
趙州(じょうしゅう)禅師はあるとき、弟子から「どの道を行けば、長安に辿り着けますか」と尋ねられました。
禅師は1つの道を指し示すかと思いきや、「どの道を通っても、長安に着きますよ」と答えられたといいます。
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