中国進出第4次ブームで商機うかがうメガバンク


「日本本社、ASEAN(東南アジア諸国連合)、中国の間で物を動かすようになっているので、資金をどう回すかを、取引先の本社・現地拠点と当行の本社・現地支店の担当者が弁護士も交えてテレビ会議で相談するといったこともやっている」(三菱東京UFJ・大森康樹上席調査役)

「中国本土内での人事管理、資金調達は各社とも考えているが、統括役員にふさわしい人材がなかなか見つからないのが悩み。理想は現地の人だが」(みずほコーポレート・山谷次長)

「半年で状況が変わってしまうため、現地に駐在する人材を増やしている」(三菱東京UFJ)が、邦銀は人材の現地化が欧米に比べると遅れているという問題がある。みずほコーポレートの場合は、無錫支店で中国人の支店長が誕生している。

「邦銀のアジア融資の比率はみずほコーポレート、三井住友で3%台、三菱東京UFJで6%、このうち日系企業向け比率は3割しかない。グローバル企業のアジア拠点向けも多いが、その利ザヤは低い。貸出金は伸びているが、アジアの現地向けは資本規制上のリスクも高いので、資本コストがかかる」(メリルリンチ日本証券アナリストの大槻奈那氏)という。日系企業向けの場合、親会社が日本で調達したほうが、コストが安いという問題もある。

収益性向上が課題となっているが、今後、日本企業の中国、ASEANを含めた水平分業が進めば、銀行のキャッシュマネジメントや証券、信託を含めた業務も広がる可能性がある。日系向けは取引先の展開に合わせた長期的な取り組みになるが、アジアでは、非日系向けやリテール分野でのM&Aにより基盤を強化し、存在感を増すことが必要だろう。

(本誌:大崎明子 =週刊東洋経済2011年8月13・20日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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