南海高野線の堺東駅、地元民だけが知る「別の顔」 大阪第2の都市の玄関、4つの出口の異なる表情

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堺東駅は1898年1月、南海高野線の前身の高野鉄道の開通によって誕生した。当時の駅名は大小路駅で、最初に狭山駅までの区間が開業、ほどなくして現在の河内長野駅まで延伸した。

南海高野線 堺東駅 ホーム
地上にホームがある堺東駅付近は高架化が計画されている(記者撮影)

大阪中心部へ向けて北側は1900年に道頓堀(現在の汐見橋)へ延びた。現在は堺東・高野山方面の電車は難波駅に直通。高野線の岸里玉出(きしのさとたまで)―汐見橋間は運行が分離されて、各停が往復するのみとなっている。

将来は高架駅になる

堺市内の鉄道路線をとりまく環境は変化しつつある。高野線は、JR阪和線とは堺東の南に1駅隣の三国ヶ丘、大阪メトロ御堂筋線とはその2駅隣の中百舌鳥(なかもず)で接続している。大阪市の中心部を南北に縦断する御堂筋線にとって中百舌鳥は南側の始発・終着駅。一方の北側は吹田市の江坂から北大阪急行線に乗り入れており、2024年3月の箕面萱野(みのおかやの)延伸によって堺市と箕面市が1本の電車で結ばれるようになった。

また、高野線の中百舌鳥からは南海電鉄の完全子会社、泉北高速鉄道の路線が分かれている。泉北高速鉄道線は高野線の難波方面と相互直通運転していて、通勤・帰宅時間帯には全車座席指定の「泉北ライナー」が走る。終点の和泉中央を除いて途中駅は堺市内にある。南海電鉄と泉北高速鉄道は2025年度早期の経営統合を目指す方針を発表している。

堺市は高野線の連続立体交差事業を進める。堺東駅の北隣の浅香山駅から堺東駅付近を含む約3kmの区間を高架化することで10カ所の踏切を取り除く計画だ。完成予定は2040年度頃。これまで再開発を繰り返してきた「ガシ」の風景もさらなる変貌を遂げることになりそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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