世界の建築にも影響、日本発「メタボリズム」の正体 西洋建築と日本の歴史を通して見えてくるもの
数々の「美」を生み出してきた西洋建築の歴史
建築にとって何を「美」と考えるかは、時代によってさまざまに変化してきました。その変遷をたどるのが、西洋建築史の中心テーマです。もちろん「用」や「強」を進歩させる素材や技術も次々と変化しますが、その新しい素材や技術が新しい「美」を生み出すきっかけにもなってきました。
ただし、西洋建築の美意識は「新しさ」だけを求めてきたわけではありません。時代の変遷の中で何度も『建築十書』が書かれたギリシャ・ローマ時代に立ち返るのが、西洋建築史の特徴であり、面白いところでもあります。たとえば15世紀以降の「ルネサンス建築」は、まさにそういうものでした。
キリスト教の聖書がすべてをコントロールした中世の封建体制の変革を目指した「ルネサンス」は、「再生」「復活」を意味するフランス語。ギリシャ・ローマの古典文化を復興させようとする文化運動です。そのため建築も、ギリシャ・ローマ建築を見直すようになりました。


















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