東京の「夜文化」は日本経済活性化のカギだ

風営法改正はビジネスチャンスをもたらすか

(写真:sad444 / PIXTA)

――本来、よい音楽の鳴っている場所というのはそういった人々が集まるものなのでしょうか。

日本では風営法が、いかがわしい風俗営業と定義し、本来文化の源泉であるはずの夜の時間帯にふたをしてしまっていました。これからオープンになることで、そういった人たちが流れていったらいいなとは思います。そのために思いのある企業や人たちと風営改正後のビジョンをいろいろと話をして、一緒に多様な文化が生まれる豊かな土壌作りをしていきたいと思っています。

――改正案成立後で、斎藤さんが風営法関係で関わっているものにはどんなものがありますか?

これまでボランティアとして仕事の合間にやってきましたが、もうなんか最近はこっちも仕事みたいになってしまっていますが(笑)。今やっていることのひとつとしては、先ほどのアムステルダムのナイトメイヤーを世界に広めようということをやっていて、2016年の4月にヨーロッパを中心とした28都市が集まってナイトメイヤーのカンファレンスを行う予定です。そのサミットをキックオフにして、ナイトカルチャーの世界的なネットワークを作ろうという計画があります。せっかくだからこのタイミングで日本もそれに参加しようと。世界の輪の中に東京も入るための活動、これがひとつですね。

改正を意味あるものにするために

あとは、東京都にとって改正案を意味のあるものしなくてはいけない。ナイトエンタテイメントのコミッションというのが世界中の主要都市にはあって、行政と事業者、有識者がプロジェクトを組んでナイトエンタテイメントを推進していくものなんですが、それを東京にも作っていくためにいろいろと動いています。

なので、東京や日本の各都市でナイトカルチャーコミッションを作り、これを世界とのネットワークの中に位置づけていくというのが最近の主な動きです。あとは、仕組みや制度も重要ですが、今回の風営法改正により、また新しいプレイヤーが登場すると思うので、どんどん現場が盛り上がり、都市が文化的にも経済的にも面白くなっていってもらいたいです。

――「踊る弁護士」なんて見出しで紹介もされることもありますが、学生時代には音楽活動をされていたということで、今回の風営法改正を進めることが、日本の音楽をとりまく環境を、もっとあるべき姿に変えるための一歩となるとお考えでしょうか。

仕事後に踊ったりとかそういうことはまったくやってないんで、全然「踊る弁護士」じゃないんですが(笑)。そうですね。まわりにいる人たちを見ていて、お金儲けとしての音楽ではないにしたって、社会的な認知度が低すぎるという状況はあるように思います。

空間を作るという意味では、店の内装のデザインは仕事として認められ、デザイナーという職業は市民権を得ていますが、たとえば音楽や音響による演出だってそれらに相当するものだと僕は思います。音楽を聴く場所ももっと、クラブはもちろんとして、ギャラリーや飲食店、ショップなどもっと複合的になっていいと思います。海外に比べて音楽のパブリックイメージが全然アップデートされてない日本は、いまだにOSが『Windows 95』で動作しているみたいな感じです。魅力ある文化都市として音楽やその周辺文化はとても重要ですが、それが圧倒的に遅れてしまっていると思います。

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