中国は風力発電装置の世界最大の市場だ。2023年に新規導入された設備容量は79GW(ギガワット)に上り、全世界の約6割を占めた。この巨大な需要を背景に、中国の風力発電装置メーカーは存在感を高めており、年間生産量は同じく全世界の約6割を占める。
とはいえ、国内市場では近年、中国メーカー同士の価格競争が熾烈になる一方だ。例えば陸上の風力発電所の競争入札における発電装置の平均落札価格は、2021年初めの時点では定格出力1kW(キロワット)当たり約3000元(約6万4052円)だったが、直近では同約1500元(約3万2026円)と3年余りで半値になった。
陸上用に比べてコストが高い海上用の風力発電装置も、平均落札価格は2021年初めの同約7000元(約14万9454円)から、現在は半分未満の約3000元に落ち込んでいる。
成長機会を求めて海外へ
そんななか、中国メーカーは(国内市場よりも)相対的に高収益が期待できる海外市場により大きな魅力を感じている。
「目下の風力発電装置業界では過当競争がエスカレートしている。わが社は自助努力によりコスト競争力を磨くと同時に、(海外市場開拓などの)新たな成長機会を模索していく」
金風科技の経営幹部の1人は、4月18日の業績説明会でそう述べた。
中国メーカーは国内市場でのシェア確保を優先してきたため、生産量に占める輸出比率はまだ小さい。2023年に中国以外で新規導入された風力発電設備の総容量は39GW。そのうち中国製の比率は約1割に過ぎなかった。
海外の主要市場の1つであるヨーロッパ市場への輸出は、さらに少ない。中国メーカーの2023年の輸出実績はわずか85MWにとどまり、総輸出量の2.3%に過ぎなかった。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は4月21日
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