中国の鉄道貨物の輸送量が、2024年1~3月期に前年同期比で7年ぶりのマイナスを記録したことがわかった。国家鉄路局が4月16日に発表したデータによれば、1~3月期の全国の鉄道貨物輸送量は前年同期比1.3%減少した。
貨物の輸送距離を含めた輸送量を表すトンキロ(訳注:貨物の重量[トン]に輸送距離[キロメートル]を乗じた数値)ベースでは、1~3月期の輸送量は前年同期比4.8%減少。月別では、3月の輸送量が重量ベースで前年同月比2.7%、トンキロベースで6.6%落ち込んだのが目立った。
鉄鋼不況が需要を直撃
1~3月期の鉄道貨物輸送量の減少は、鉄鋼市況の悪化を受けて(鉱石や石炭などの)コモディティの輸送需要が落ち込んだのが主因だ。例えば、石炭の生産が盛んな山西省の大同市と中国最大級の石炭積み出し港がある河北省秦皇島市を結ぶ石炭輸送専用線の大秦鉄路では、1~3月期の輸送量が9824万トンと前年同期比6%減少した。
鉄道貨物の輸送量には季節的な波があり、(中国の旧正月である春節が含まれる)1~3月期はもともと閑散期にあたる。しかし過去データを振り返ると、中国政府が2017年に「トラック輸送から鉄道輸送へのシフト」を促進する政策を打ち出して以降、1~3月期の貨物輸送量は2023年まで一貫して前年同期比プラスで推移してきた。
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