子育てにイライラ「叱らずに」済むテクニック 石田勝紀×天野ひかり「子育て」対談ー後編ー
「もうあの子のこと無視するんだ」と言われたら、「そんなことやめなさい!」とか言いそうになるけれど「無視するんだね」とだけ返す。そうすると子どもはピンポンの壁打ちのように自分の言葉を客観的に聞いて冷静になれます。
もう1つは、子どもの行動を実況中継すること。ゲームをしていたらイライラするけれども、まずは「ゲームしてるんだね」とだけ言います。そう言われると子どもって、あ、今自分はゲームしてるんだって思うんですよ。
ゲームばかりしてて、親としてはもうやめなさいって言いたい。で、1時間たつとイライラして「いつまでゲームやってるの!」って叱ってしまう。でも実は、子どもは「ゲームしてるね」って言われていないので、突然お母さんに怒られたと思うんです。
だけど最初に「今日はゲームしてるんだね」って言っておくと、子どもは自分の行動を意識するようになります。30分後、1時間後と声かけをすることで、子どもは自発的に行動を変えていくようになるんです。ぜひ黙認せずに「実況中継」してみてください。
まずは親自身のイライラをなくす
石田:なるほど。これは実は1つ目の「イライラしてしまう本当の原因を探る」が重要ですね。イライラの原因を解消できれば、優しく「ゲームやってるんだね」と言えるはず。
イライラしているとつい「ゲームやってるんだね!」と厳しく言ってしまいそう。机をトントン叩いたり。
天野:怖い。自分がされてもイヤですもんね。
石田:優しく言うためにも、まずは親自身のイライラをなくすことが大切ですね。親としては「しょっちゅう言っている」つもりでも、子どもからすれば違うんですよね。
天野:そうですね。ゲームそのもので子どもの頭が悪くなるわけではないことはアメリカの研究でも結果が出ていますので、ゲームをすること自体を悪いと決めつけないことからスタートしたいですね。
実はイライラの原因は「ゲームをやめさせて、本当はこれをやらせたい、でもやってくれない」という親の不満にあるかもしれません。そうではなく、本当にこの子にとって正解かな、という視点で見られたらいいと思うんです。
むしろ子どもがゲームに夢中なら、ゲームを通して子どもの才能を見つけられるかもしれません。
一緒にゲームを見て、子どもの工夫する力や集中力、努力する姿を褒めてあげる。そうすると子どもも本当にやりたいことが見えてくる。親が歩み寄ることで、子どもも本音を話してくれるようになるんです。