成長へ舵切るブラザー、試される“新事業創出力”

新しい5カ年計画を始動

この事業の主役は通信カラオケ。「ジョイサウンド」を展開する子会社のエクシングが、10年1月にUSENからBMBを買収。最大手の第一興商「DAM」と通信カラオケ市場を二分する存在になった。BMB買収により、N&C事業の売り上げ規模は11年3月期に528億円(10年3月期は327億円)へと一回り大きくなった。

しかし、国内カラオケ市場は完全な成熟市場。これをどのようにして成長させていくのか。

エクシングの神谷純会長は「まずは、コミュニティサービス『うたスキ』の会員を増やし、カラオケそのものを活性化していく」と言う。

「しかし国内のカラオケには限界がある。ジョギング用の『エクサミュージック』など、音楽を軸とした新しいサービスをどんどん生み出していく。さらに著作権の問題などをクリアし、中国などアジアへのカラオケ事業の展開も考えている」(神谷会長)。

N&C事業のルーツは、86年に通信事業参入の尖兵として投入したソフト自動販売機の「TAKERU」だ。これは、サーバーに保管しておいたゲームソフトのプログラムデータを、電話回線を通じて受信してフロッピーディスクに記録する装置。クラウド時代を先取りするような画期的な製品だった。

あまりにも時期尚早で300台程度しか売れずに大コケしたが、転んでもタダでは起き上がらなかった。TAKERUをベースにして生まれたのが、サーバーに保管しておいた楽曲のデータを注文に応じて受信する通信カラオケ。レーザーディスクカラオケ全盛の92年に「ジョイサウンド」を発売。これまでにない新事業を生み出した。

「音楽をきちんとやるのが大前提だが、配信のシステムも持っているので、チャンスがあれば異なるコンテンツもやっていく。そこには何の制限もない」(小池社長)。

通信カラオケでの実績を生かし、映像コンテンツの配信事業など他分野へウイングを広げていければ、より大きな発展を遂げる可能性を秘めている。

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