成長へ舵切るブラザー、試される“新事業創出力” 新しい5カ年計画を始動

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しかし、この市場には多くのライバル企業がひしめく。ヒューレット・パッカード、キヤノン、エプソンなどの老舗メーカーのほか、ブラザーが得意とするモノクロレーザー機では、韓国のサムスン電子が躍進している。

ブラザーはこうしたライバルと比べると規模の面で小兵。レーザー、インクジェットを合わせた複合機における世界シェア(金額)は3%で10位(10年実績、米IDC調べ)。全社売り上げが13%伸びた前期も、このセグメントだけは微減収だった。安定成長を続けていくことは容易ではないだろう。

だからといって7500億円の目標が難しいのかといえば、そうではない。ブラザーには情報機器以外に、ミシン、産業機器、カラオケなど多くの事業がある。中には、今回の計画で掲げた数値目標以上のポテンシャルを秘めた事業もある。

さらには、今は姿も形もない新規事業を生み出し、500億円規模に育てる構想もある。依存度が高くなった情報機器に頼らない成長を図り、新しい収益構造に脱皮できるかどうかが、これからのブラザーの課題ともいえるだろう。

その有望事業の一つが、M&S(マシナリー&ソリューション)事業に分類されている産業機器だ。

絶好調の産業機器はブラザーの成長柱に

愛知県刈谷市の東海道本線・野田新町駅前にある刈谷工場。この工場内の産業機器組み立てラインは今、フル操業が続いている。製造しているのは「CNCタッピングセンター」。これはフライス加工、穴空け、ネジのミゾ立てなどの金属加工を一台でこなす小型マシニングセンター(MC)だ。

目下、この小型MCが中国の大手EMS(製造請負サービス)向けに、爆発的に売れ続けている。アップルのアイフォーンをはじめとするスマートフォンやタブレット端末の外枠を加工するために不可欠な装置になっているためだ。

「09年後半から急激に売れるようになった。主力の自動車部品向けやHDD向けも盛り返してきたが、足元の好調を牽引しているのは、スマートフォンやタブレット端末を造るEMS向けの需要だ」(M&Sカンパニーの川那辺祐プレジデント)。

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