「SASUKE」が結んだ日本とアラブの新しい絆 聖地・緑山をサウジアラビア王子が訪れた!

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アメリカ現地制作版の『American Ninja Warrior』(TBS『SASUKE』第31回は7月1日(水)よる7時から4時間SPで放送

外務省ホームページによると、これに基づき、「両国の『包括的パートナーシップ』の強化に向け、さまざまなレベルでの相互理解及び協力の実現が期待」されている。一方、政府は、日本コンテンツの輸出拡大と産業連携を「Cool Japan (クールジャパン)」政策として推進している。今回の契約は、日本の放送局が王族と、コンテンツを通じたアラビア語圏全域に及ぶプロジェクトを推進するという、前例のないエポックメイキングなものになる。ちょうどTBSも今年が開局60周年にあたる。

SASUKEは、1997年の初回以降これまでに特番として全30話制作され、毎回100人の選手が4つのステージからなる難攻不落のコースに挑む。これまでに延べ3000人が挑戦したものの、全4ステージを攻略、いわゆる「完全制覇」した選手はわずかに3人しかいないことから「世界一難攻不落な障害コース(World’s toughest obstacle course)」ともいわれている。

世界の聖地となった「Mt. Midoriyama」

このコース自体を海外版では「Mt. Midoriyama(マウント・ミドリヤマ)」と呼んでいることから、「緑山完全制覇(Conquer Mt. Midoriyama)」が、各国の選手やファン達の合言葉になっている。ちなみに、海外版で「完全制覇」を達成した選手はまだ一人もいない。

各国版がヒットするに連れ、番組内だけでなくニュースや他媒体の記事でもMt. Midoriyamaが頻繁に登場しており、今や外国人が知る日本の山で富士山(Mt. Fuji)に次ぐ知名度ともいわれている。もっとも「緑山」はTBSのスタジオで、実際には山ではないので厳密に言えば誤認なのだが。そして、ファンや選手達にとっては、今やMt. Midoriyamaは「聖地」。Mt. Midoriyamaを目指してトレーニングする者や、緑山訪問目的で来日する者もいるほどだ。

今回のSASUKE収録に多数の各国関係者が訪れていることからも、現在9カ国で行われている海外各国の現地版制作のさらなる拡大も期待されている。4月には、TBSテレビの武田信二社長が、『SASUKE』ワールドカップの開催も示唆しており、世界的な人気がまだまだ広がっていく余地を残している。

杉山 真喜人 TBSメディアビジネス局海外事業部
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