金利上昇でもマンションの資産価値向上「4要素」 立地や仕様でもない「一番の鍵」を握るのは?
それでもメンテナンスが必要となり、コストもかかる。まずは資産性の観点から、自分たちにとって真に必要な共用施設が付いているかどうかを検討しなければならない。
マンション購入の際は、共用施設の状況確認をおすすめしたい。
選ばれるマンションになる4つのうち、一番の鍵を握るのが「管理状況」になる。先に挙げた2要素(立地、建物仕様)は、よほどの事情がない限り変えるのは困難だ。
しかし管理に関しては、自らが組合員として管理組合の運営に積極的に関われば変えられる要素だからだ。
管理状況を把握するため、次のような点を確認しておきたい。基本的には、居住性を高める取り組みがなされているかどうかが判断基準となる。
管理規約などのルールが実態に沿っているか
要素2でふれた余剰な共用施設の有無、適切なコンバージョン(現状に沿った施設への転換)が行われているか
適切に管理されているマンションは、居住性の高さにもつながる。現住人にとって居住性の高いマンションは、購入側から見ても魅力的であり、資産性にも影響してくることになる。
最後の要素である価格の妥当性は、マンション全体の話とは少しかけ離れ、「売りたい」場合の価格設定の話になる。
たとえば、同一グレードの、ほかのマンションの住戸が安く売り出されている時期は売り時ではない。
「売り時を見極める」ためにも、ミクロな視点で売買価格を把握し、近隣エリアを含めた動向をこまめにウォッチし続けることが大切だ。
また、先にも述べたとおり、マンションの価格を決める際には、取引事例比較法を利用する。
そのため前述の3要素に対する取り組みについては、マンション内でしっかりと情報共有し、各組合員が売り出し時のアピール要素にして売却時の価格設定を上げることで全体の資産性向上につなげていくことも重要だ。
住民が「広報」として魅力を伝える活動を
マンションの資産性を向上させるためには、上記4要素に磨きをかけることが大前提となる。
けれども購入を検討している時に、これら4要素がどうなっているのかを知る術はそう多くはないのが実情だ。管理組合としてしっかり活動していたとしても、明確な形で資産性に反映されるわけでもない。
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