「スーパー割引」数学嫌いでもお得に計算するコツ 3つのパターンでどれが一番お買い得か考える
この問題を整理すると、「10%引き→20%引き」と、「200円引き→10%引き」、そしてシンプルな「30%引き」の3種類の中で、いちばん割引率が大きいのはどれかを考える、ということになります。
まず、結論から話しましょう。この問題では、パターンA、パターンBが2段階で値引きをされているので、一見パターンCよりも安くなるように見えます。しかし、答えはパターンCなのです。おそらく、多くの人にとって意外な答えだったことでしょう。
ここからは、実際に1000円の商品の値段変化で計算しながらこの謎を紐解いていきましょう。
パターンAでは、まず1000円の商品の10%は100円であるため、レジに持って行く前の商品の値段は900円になります。そして、レジでさらにその20%引きになるため、
900円 × 20% = 180円
900円 - 180円 = 720円
と計算することができ、最終的な商品の値段は720円になります。
ここで重要なのは、レジでの「20%引き」は元々の商品の定価である1000円ではなく、10%割引された後の900円からの計算になるため、割引額が少なくなるのです。この事実がこの問題を考えるカギになります。
同様にパターンBも考えてみましょう。まず、1000円の商品に200円引きのシールが貼られているため、この時点での商品の値段は800円になります。そして、レジでさらにその10%引きになるため、
800円 × 10% = 80円
800円 - 80円 = 720円
と計算することができ、こちらも同じく最終的な商品の値段は720円になります。
ここまでで、多くの人は答えがパターンCになることが理解できたことでしょう。
10%+20%引きと30%引きの結果は違う
パターンCの計算は、割引が1回しか行われないので非常にシンプルになります。30%引きのシールが貼られているため、
1000円 × 30% = 300円
1000円 - 300円 = 700円
となり、パターンA、パターンBより20円安い700円になることがわかります。割引が1回でも、いちばん値段が安くなっているのです。
この問題を見て、「10%+20%引き」と「30%引き」の結果が一緒ではないことに違和感を持った人は少なくないでしょう。「10+20 = 30」であるから、直感的にこの2つは同じ意味であるとイメージしてしまいます。
しかし、計算式にも記した通り、割引が複数回行われる場合は、2回目以降の割引はすでに下がっている値段から割り引かれるため、値下げ幅が小さくなるのです。
具体的に言えば、10%引き後の商品の価格は定価の90%になっているため、その後行われる20%引きは
90% × 20/100 = 18%
となり、実際には18%引きになっていることがわかります。
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