「聞くプロ」がさりげなく実践している3つのこと これがカギ国山ハセンが勧める「喜『驚』哀楽」
「はい」「ふむふむ」「なるほど」など、受容・肯定のニュアンスの短い一言を返すことで、「あなたの話をちゃんと理解しながら聞いていますよ」というメッセージを伝えられます。ただし、あまり頻繁に発するとうるさく感じさせてしまうので、相づちと同様に頻度はほどほどに。私は「そうだったのかぁ」「えっ」など、気づきや驚きを表すつぶやきも多用しています。
リアクションの延長で「短い質問」ができると、話の深掘りにつながります。例えば、「なぜですか?」「いつからですか?」「どんなふうにやるんですか?」「具体的には?」「何がきっかけだったんですか?」など。事前に用意した質問ではなく、相手が言ったことに対して即座に反応する質問です。間髪入れずに短い言葉で返すことで、対話のリズムを崩さずに相手の話を盛り上げる効果があります。
特にレベル3の「短い質問」は、話のポイントを逃さない集中力と瞬発力が問われるので、やや難易度が高い技術にはなりますが、意識的に磨くことで対話力のレベルは確実に上がります。
対話がスムーズに展開し、相手も自然と深い話ができるようになるので、「本音の交換」に近づきます。
お手本は「食レポ」の第一声
「短いつぶやき」を程よく差し挟むリアクションについて、もう少し詳しく説明します。
相手の話の内容に応じて、「へぇー!」「そうなんですか」「それは意外ですね」などと短く反応する言葉をこまめに返していく。あたりまえに感じるかもしれませんが、案外、会話中のリアクションワードをおざなりにしている人は多いのです。
自分では反応しているつもりでも、心の中にとどまってしまって、言葉や表情などで表に出ていなければ、相手には伝わりません。
すると、相手は「あれ? 反応薄いな……。あまり興味がないのかな」と受け取って、それ以上深い話をしなくなります。
自分が思っているほど感情は表に出ていないと心得て、ちょっと大袈裟にリアクションをするくらいでちょうどいいのです。
「リアクションといわれても、カッコいい言葉がとっさに出てこないよ」と戸惑う人もいるかもしれませんが、難しく考えなくて大丈夫です。
超がつくほどシンプルに、感じたことを口にすればよし。イメージするならば、情報番組で人気の「食レポの第一声」がよいお手本になります。