東京ガス、「全面自由化時代」の戦略を語った

株主の関心は、新たな競争環境への対応

別の株主は「競争力のある電源ポートフォリオを構築するというが、再生可能エネルギーは取り入れないのか」と質問。救仁郷副社長は、「主力はガス火力発電だが、再エネは風力に取り組んでいる。現在、自社保有分と他社からの買い取りを合わせて2万9000キロワットあるが、2020年に向けて15万キロワットに増やす方向で検討中にある」と答えた。

自由化で料金をどこまで安くするのか

議長を務めた広瀬社長

ある株主は「電力・ガス自由化で料金はどれだけ安くなるのか」と、最も気になる点をたずねた。これには総合企画部担当の高松勝常務も困った様子で「難しい質問だが」と前置きしつつ、こう言葉を継いだ。

「これまでの電気・ガス料金は総括原価方式による国の査定で決まってきたが、今後は競争環境と顧客の選択肢が広がることで料金低減が達成される。もし、都市ガスの新規参入業者がわれわれより安い料金で顧客を獲るとすれば、われわれも対抗上、下げざるをえない。いくら下げるとは言えないが、建設設備や通信会社など他業種ともアライアンスを組んで、料金だけではなく、さまざまな付加価値サービスを提供したい」

補足的に広瀬社長が、電力小売り参入に向けて今秋くらいに料金とサービスメニューを発表する方針を説明。ガスについては2017年の全面自由化までまだ時間があるが、「あまり価格競争ばかりに入り込むのではなく、保安やサービスも含めてバランスを考えて検討していきたい」と語った。

今国会で決まった、2022年4月からの都市ガス導管分離のメリット、デメリットに関する質問も出た。高松常務は、「メリットとしては、当社の導管部門を別会社化すれば、新規参入する小売り事業者が自由に導管を利用できるようになり、事業運営の透明性、中立性が高まる」と説明した。

一方、「当社がこれまでの審議会を通じて反対してきたように、デメリットも相当ある。導管部門が別会社化されることで、(製造・輸送・販売の)一体感を持った事業運営ができなくなり、インフラ整備や保安面で懸念が生じることだ。ただ、国会で決まった内容なので、今後の国との検討の中で懸念が払拭されるよう努めていきたい」と答えた。

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