LIXIL藤森社長、不正会計問題乗り切った? 総会前にISSが社長再任に反対推奨

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株主総会では冒頭に藤森社長の謝罪があった(写真は6月3日、ジョウユウ破産についての会見で)

LIXILグループは6月26日、東京・江東区の本店ビルで株主総会を開催した。LIXILは買収した中国子会社ジョウユウの不正会計問題について、全貌調査を進めており、総会でも複数の株主から問題にかかわる質問・意見が相次いだ。

総会では冒頭、藤森義明社長が問題に触れ、「株主に心配をお掛けしたことをおわびする」と謝罪した。

質問をした株主は8人。ある株主は「事前に問題を察知できたのではないか。また経営陣は中国現地でジョウユウの創業経営者に会うなどしたか。この問題があったからといって、海外展開の勢いは緩めないでほしい」と聞いた。これに対して藤森社長は「買収時には一流の専門家が調査を行った。経営陣も現地に赴いて工場などを調査している。今回の問題を経験として生かし、今後はガバナンスと企業価値を高めていく」と応じた。

中国市場は既存ブランドで再攻勢

また別の株主は「海外売上高1兆円を達成するうえで、ジョウユウ破産後の中国戦略はどうするつもりか」とただした。藤森社長は「ジョウユウのブランドを使って、ローエンド市場を攻略する計画だった。今後はINAXやアメリカンスタンダードなど既存のブランドを生かし、自力でこの市場を積極的かつ慎重に攻略していきたい」という考えを示した。

ただ、ジョウユウ問題に対する株主の反応は、比較的冷静だったようだ。ある機関投資家は総会後に「ジョウユウの問題については、総会までに、藤森社長自身がメディアを通してきちんと状況報告してきたことを評価している。投資家としては、LIXILのスピード感ある海外展開に価値を見出しているので、減速しないでもらいたい」と語った。また都内在住の50歳代女性は、「LIXILの株主に昨年になったばかりで、ジョウユウの問題には驚いた。ただ藤森社長の真摯な説明姿勢は、好感の持てるものだった」と話している。

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