開催前から注目を集めていたのは、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、藤森社長と數土文夫JFEホールディングス特別顧問の取締役再任について、反対を推奨するリポートを出していたことだ。
ISSのリポートでは、藤森社長の再任反対を推奨する理由について、「トップマネジメントはROE(株主資本利益率)に責任を負う」としている。LIXILのROEは、2015年3月期が3.7%で、過去5年間の平均が2.9%だった。ISSは、5年平均ROEが5%未満の企業に対し、経営責任者の取締役就任に反対するよう、2015年度の方針で勧めている。
一方、數土取締役については、JFEがLIXILの取引先だとしたうえで、社外取締役として独立性に欠ける点を理由に挙げている。ISSは2014年も同じ理由で、數土取締役の再任を反対推奨している。
「今後もしっかりがんばってもらいたい」
このリポートについては、株主1人が言及。藤森社長への反対推奨に触れた株主は、「藤森さんのROEに対する責任をここでうんぬんするつもりはない。今後もしっかりがんばってもらいたい」と述べた。
一方で數土取締役については、「ISSが問題あると言っているが、今日は數土取締役が欠席している。本人がここで説明するべき」との指摘があった。藤森社長は「LIXILの総会日程がずれたため、數土取締役は事前に決まっていた別の企業の総会に出席している。平素は取締役会に出席し、社外取締役の仕事をまっとうしている」と答えた。
なおLIXILによると、「JFEは当社の取引先ではなく、利益相反はない。誤解があるのなら、来年の総会招集通知など文書上での表現を改め、正確に事実を伝えたい」(齊藤惠史IR室長)という。
総会の開催時間は1時間20分(2014年は52分)。会場に訪れた株主は311人(同294人)だった。唯一の議案だった取締役11人の選任は承認された。
(撮影:大澤誠)
LIXILの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら