著名企業の創業者3人「飯田兄弟」何がスゴいのか それぞれセコム、オーケー、天狗を始めた

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亮氏から聞いた話だが、毎日夕食時、父は5人の兄弟を長男から五男まで順番に正座させ、食事に口をつける前に訓示を行った。子供たちを大人として扱った。話を終えた後、5人兄弟全員に意見(コメント)を求めたそうだ。亮氏に順番が回ってきたとき、最後なので「兄さんたちと同じです」と言ったところ、父は突然、亮氏の前に来て大きな声で諭した。

「兄さんたちと同じとは何事か。お前の考えがあるはずだ。よく考えて、お前だけしか思いつかない意見を言え」

そして、訓示の最後に締めくくる言葉は毎回同じだった。

「人に雇われる身にはなるな」

つまり、経営者になれ、ということである。

熱烈なファンができて初めて利益を得られる

経営者(商人)になったからには、「忘れてはならない心得がある」と言いながら書をしたためた。

「至誠天に通ず」

勧氏はこの言葉をオーケーの経営に当てはめて、次のように解釈していた。

「お客様に信用してもらわないと、熱烈なオーケーファンになってくれない。金儲けだけではなく、熱烈なファンができて初めて利益をもたらしてもらえる」

「オネスト(正直)カード」はこの考えを具体化したツールと言えよう。

紋治郎氏は商売熱心だったが、株式投資にも熱をあげていた。その影響もあったのだろうか。亮氏はセコムを創業する前、証券会社設立を考えていたという。勧氏も岡永に入社したての頃、日本橋からさほど遠くないこともあり、兜町の証券取引所に毎日、「父のつかい」で兜町に通っていた。そして、電話で売り買いの注文を受けていたのだった。

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