基本的には男女の性差があってもハンデはいっさいなし。シーズン1では物議を醸した場面もありました。勝ち残りたいがために、一対一のデスマッチで明らかに体格の差がある女性をマッチョな男性が指名したからです。シーズン2でも男女横並びのルールが変わることはありませんでしたが、今度は女性が男性を指名するという見せ場が作られています。「タイマンには自信がある。私は戦いに来たのでどうせなら強い人と対戦したい」と、潔く言い放った総合格闘家の女性の挑戦は見ものです。
ドラマさながら「地下鉱山」のセット
昨年8月の撮影中、ソウル市内にあるコンベンションセンター内に組まれたセットの一部がプレス公開され、実際にその現場を見て驚いたこともありました。まずはその規模の巨大さです。シーズン1のときからセットの規模感を売りにし、シーズン2ではさらに拡大させて、サッカー場2つ分の敷地面積で撮影が行われたことがわかりました。
さらに、バラエティ番組でもドラマのセットのような作りが世界的には流行っていることを反映させてか、コンセプトも明確です。シーズン1では「古代ギリシャ」、シーズン2では「地下鉱山」をテーマにした世界観のセットを用意しています。60台のダンプカーで運搬された150メートルを超える鉱山トロッコ用鉄製レールと300トンもの砂で構築されたセットは壮観です。
「地下鉱山」をテーマにした理由について、企画したチャン・ホギプロデューサーは、「地下鉱山そのものが、人類が熾烈な競争の中に投げ込まれ、不条理と戦いながら生きていかなければならなかった時代をイメージし、番組の設定にピッタリだと思いました」と語っていました。こうした雰囲気作りによって、参加者の緊張感や高揚感といった感情を引き出す効果を狙っているのです。それは視聴者にも確実に伝わってきます。
またチャンプロデューサーがかつて特殊部隊に所属していたことが番組作りに大きく影響したようです。「陸軍に入隊して、特殊部隊にいました。そこはまさに『フィジカル100』のミニマム版のようにたくさんのクエストがあり、すべての訓練をこなさなければならない。しかも皆、強者だらけ。そんな特殊部隊から芽生えたアイデアです」。
強靭な身体を追い求める超硬派なスポーツエンターテイメントというと、日本の「SASUKE」がこのジャンルを開拓したわけですが、時代に合わせた新しい見せ方が「フィジカル100」にはあります。加えて、音楽、映画、ドラマの世界ヒットをバラエティ番組でも生かす攻めの姿勢が番組人気につながっているのかもしれません。
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