「私は専門家ではありませんが、学習障がいのある子どもたちを何人も指導した経験があるので、その難しさを理解しているつもりです。
それでも、私の目から見ても、最近は『この子は本当に障がいがあると言えるんだろうか? もしもその子どもたちが障がいと認定されていないのだとしたら。親や周りの大人がそう扱っているだけのケースもあるのではないか?』と思うこともあります」
生徒の親からのあるクレーム
子どもに対する対応よりも、保護者への対応に頭を悩ませる鈴木先生。その一例として、女子生徒への対応に関する保護者からのクレームもあったようです。
「ある日の授業で、女の子が具合が悪そうにしていました。『体調が悪いので、保健室に行きたいです』と言ったので、ある先生が彼女を保健室に連れていこうとしました。
ただ、その先生は男性教員です。女の子の肩を抱いてしまうとまずいと考えて、子どもに触れないように配慮して歩いていました。しかし、階段で女の子がバランスを崩し、ふらついてしまったのです。
それでも、触れるわけにもいかないから、その先生は『大丈夫か、しっかりしろ!』と言ったんです。それだけで、彼女の親から大クレームがきました。『娘に対して、高圧的な喋り方をした!』と」
「子どもは立っていられないほどつらかったのに、先生が無理矢理立たせるようなことを言ってきた」と、生徒の親は主張したようです。
この生徒の親と直接話した鈴木先生は、その言い分にある種の正当性を感じた一方で、思うこともあったようでした。
「私は直接の当事者ではないですが、彼女の親とお話しすることになりました。私は『女子生徒に気安く触れていませんし、階段だからそのまま転んでしまったら危ないと思います。言い方については、気をつけるべき部分があったのかもしれませんが、ほかにどうしようもなかったのではないでしょうか』と伝えました。
ただ、その生徒の親はそれに対して『この子が苦痛を感じたときに代弁してやるのは、私たち親しかいないんです』とおっしゃいました。
お気持ちはわかりますが、でもさすがにそれはおかしいんじゃないかと思ったのを覚えています。子どもを守るのは親の務めかもしれないけど、『守る』の意味が違うのでは?と感じました」
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