世界の一流は驚くべき場所で商談していた! 超富裕層の年間スケジュールはとんでもない

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プライベートジェットの運航会社ネットジェッツのデータと、富裕層に関するリサーチ会社ウェルシー-Xの調査から、現代のエリートが世界を飛び回る旅程が見えてくる。

1月はカリブ海のセント・バーツ島からスタート。ロシアの富豪ロマン・アブラモビッチが広さ70エーカー(約28万平方メートル)の別荘で開催する恒例の年越しパーティには、超一流のセレブや実業界、メディアの大物が集まる。レッド・ホット・チリ・ペッパーなど演奏するバンドも超一流だ。

その後は、ダボスで世界経済フォーラム、ビバリーヒルズでミルケン・グローバル・カンファレンスと、国際的な経済会議が続く。今年のミルケンでは、トニー・ブレア元英首相やウェスリー・クラーク元NATO欧州連合軍最高司令官、ケン・グリフィンやレオン・ブラックなど大手ヘッジファンドやプライベート・エクイティを率いる著名な投資家たちが、世界経済について談義した。

地中海に超大型ヨットの行列

5月に入り、ニューヨークで開かれる美術品のオークションが春の訪れを告げる。急ぎヨーロッパに取って返し、カンヌ国際映画祭、モナコグランプリ、アート・バーゼル、アスコット競馬場で英王室が主催するロイヤルアスコットと続く。

夏場は米東海岸のハンプトンズやナンタケット、南仏などの避暑地に向かう。フランスからイタリアにかけての地中海沿岸には、超大型ヨットが列をなす。プロデューサーのデビッド・ゲフィン(ゲフィン・レコードの設立者でドリーム・ワークスの共同設立者)のライジング・サン号は全長453フィート、ウオツカで財を成したユリ・シェフラーのセーレン号は436フィートだ。

8月後半、車を愛する富豪たちは、モーターショーのコンクール・デレガンスが開催されるカリフォルニア州ペブルビーチを目指す。昨年のオークションでは、フェラーリのビンテージカーが3800万ドルで落札された。続いてニューヨークで、社会貢献活動とセレブの交流会を兼ねたクリントン・グローバル・イニシアティブ国際会議。その後は大西洋を往復して、現代美術のフェアー「フリーズ・ロンドン」、ニューヨークの秋のオークション、マイアミビーチの「アート・バーゼル」と、美術の秋を満喫する。

大切なビジネスチャンスとして

ウェルシー-Xのデービッド・フリードマン社長によると、現代の富豪はたたき上げの起業家が多く、ビジネスの人脈を大事にして、ビーチで過ごしながら取引をまとめる。アイダホ州サンバレーでグーグルの共同創業者セルゲイ・ブリンと酒を飲みながら自動運転車の話で盛り上がるほうが、ドイツのクシュタートでスキーをして雪焼けした肌より、はるかに箔がつくのだ。

投資や慈善活動に見返りを求めるのと同じように、彼らは余暇にも見返りを求める。「旅行や社交に費やしたものは、何らかのビジネス的価値で埋め合わせる」と、フリードマンは言う。「ソーシャルカレンダーでさえ、商取引の場だ」

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