「昭和・平成に幸せだった人」が今後ラクになる発想 川勝知事辞任にも学ぶ"アップデート"はどこまで必要か

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いまのZ世代の若者と比べても、発想は自由で柔軟だったように思える(だからこそ、行き過ぎてしまうこともあるかもしれない)。彼らが行動をアップデートできないはずがないと思うし、実際に多くのその世代の人たちは、時代になんとか適合して生きている。

川勝知事にしても、価値観や行動がアップデートできていれば、ここまで批判を集めることはなかっただろう。

昭和時代が本当によかったはずがない

ドラマ「不適切にもほどがある!」では、主人公らが1986年(昭和61年)と2024年の2つの時代をタイムスリップする。ドラマを見た人の感想には「昔(昭和時代)はよかった」とする声、逆に現代を「生きづらい」「窮屈だ」という意見が多数見られた。

しかし、「当時がよかった」と思う人の多くは、過去を美化してノスタルジーに浸っているか、あるいは既得権益層として恵まれた環境にいたかのどちらかではないかと思ってしまう。

ドラマの最終回でも描かれているように、当時は職場ではセクハラ、パワハラが、学校では体罰やいじめは当たり前のようにあった。不登校は「登校拒否」と言われ、本人に問題があるとされた。

筆者自身、小学校から高校までいじめにあっていたが、担任の教師から「いじめられる側にも問題がある」として対応してもらえなかった。常に同級生からのいじめだけでなく、体罰におびえながら学校生活を送っていたが、「学校に行かない」という選択肢は決して許されなかった。

実家は飲食店を営んでいたが、男性客が若い女性アルバイトのお尻を触ったり、今だったら一発アウトになるセクハラ言葉を投げかけたりしていた。商売のために、それを黙認せざるをえなかったし、当時はその行為はさほど問題として捉えられていなかった。

地方の出身だったこともあるが、進学や職業についても周囲の価値観は凝り固まっていた。高校時代、成績がよい学生は、大人たちから「地元の国立大学に行って、県庁か市役所に就職しろ」と言われていた。特に成績優秀であれば、「医学部に行って医者になれ」と言われた。実際、筆者の同級生には、当人の希望にかかわらず、医学部に進学した優等生が何人もいた。

ドラマの中で、1986年時点では不登校だった高校生の佐高くんが、2024年にはゲーム会社を起業して大金持ちになっていた――というエピソードが出てくる。

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