日本の選択「年収の壁の廃止」か「移民に参政権」か 「扶養控除」をなくし「子ども支援」を徹底すべき
日本の労働生産性を上げたいならば、女性の生産性と賃金を上げるべきです。なぜなら、いままであまりに低水準に抑えられてきたため、大きな伸びしろが残されているからです。
年収の壁による経済損失は単純計算で、年間137.7兆円となっています。その根拠は、男性の平均所得にアメリカの対男性の女性所得比率をかけて、その結果を働く日本人女性の数にかけた結果が、137.7兆円となるからです。
要するに、545万円の男性所得に比べて、女性の所得は現在302万円ですが、男性の83%ならば、女性の所得は452万円になります。150万円も増えて、1.5倍となります。それを働く3045万人の女性に当てはめると、137.7兆円となるわけです。
なぜ日本の女性の生産性と賃金は低いのか
さて、生産性と賃金を上げる手立てを探るためには、「なぜ日本の女性の生産性と賃金は低いのか」、その原因を探る必要があります。
結論から言うと、扶養控除などいくつかの財政政策に原因があると言えます。
この件に関しては、東京大学大学院経済学研究科の北尾早霧教授らの「女性と労働参加と生産性:税・社会保障制度の役割」という、素晴らしい論文があります。英語のタイトルは「Why Women Work the Way They Do in Japan: Roles of Fiscal Policies」です。
以下、そのサマリーから一部を引用します。
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