「せっかく褒めたのに」逆効果の言い方にご用心 一流の上司はどんな「褒め方」をしているのか

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もちろん、そういう難題に挑まない限り、学習と成長は望めない。したがって、間違った褒め言葉は何の役にも立たず、いちばんの強みを磨く意欲を衰退させてしまうのだ。

性格や能力を褒める言葉は使わない

リーダーという立場の人は、しっかりと認識してほしい。褒め言葉であっても、伝え方を間違えればマイナスの効果を生む恐れがあることを。

よって、一般的なルールとして、褒める対象は、相手が自らの手でコントロールできる行動とし、「じっくりと考える」や「生まれながらのリーダー」といった、相手の性格や能力を褒める言葉は使わないと覚えておくといい。

相手がコントロールできる行動とは、障害にぶつかったときに真摯に対応する、行動を起こす前に徹底的に見直す、アイデアに対する意見を早期に周囲から募る、といったことだ。

パフォーマンスを向上させたいなら、相手がコントロールできること(努力)を労い、コントロールできないこと(成果)には触れないでおく。

たとえば、あなたが率いるソフトウェアの開発チームが作業(赤ワーク)を終了したなら、「やり遂げたみんなを誇りに思う」などとは言わない。

この製品を生み出せたのは、さまざまな部署と連携を図るという難局を乗り越えたおかげだね」と伝えるといい。

あるいは、製造チームが不良品を見つけて生産ラインをとめたなら、「よくラインをとめてくれた」や「今度は何があった?」とは言わない。

ありがとう。不良品を見つけてラインの停止を呼びかけてくれたおかげで、その問題を一掃できそうだ」と労おう。

このように見たままを描写するには、それを行っている人の内面の葛藤にもしっかりと目を配る必要がある。

質問を上手に活用する

一般に、親やコーチは子供や生徒を間近で観察できるので、成果ではなく具体的な行動について意見を述べることができる。

しかし今日の職場は、チームのメンバーが分散して働くことが可能になり、個々人が離れた場所で作業することも少なくない。

となると、意思決定(青ワーク)の時間にその前にした作業(赤ワーク)を振り返るとはいえ、赤ワークの時間に各自が何をしているのかを、目で見て直接確認することはできない。

ならばどうすればいいのか? 質問すればいい。

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