無印良品「欧州で破産」報道から見る変化の現実 欧州より東アジア、国内も都会では「飽き」?

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また、良品計画のこの姿勢は、「リージョナルランドマークストア」を増やしているスタバに通じる。リージョナルとは「広い地域」を指す言葉で、スタバの公式サイトでは「日本の各地域の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を世界に発信する店舗の総称です」と語られている。神戸北野異人館店や太宰府天満宮表参道店が代表例だ。

このように考えると、無印良品の地方出店は、ある種、「土地に根付いたものを重視する」という、それまでのストーリーを自然に発展させた形でありながら、昨今のチェーンストアのブランディングではトレンドに沿ったものでもあると言えるのかもしれない。

無印良品はどうなっていくのか

ドンキにはなぜペンギンがいるのか (集英社新書)
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無印良品がここ数年、拡大の中である種の”ひずみ”を生じさせてきていたのは確かである。その中で、これまでの販路にはなかった、主軸とは言えなかった「地方出店」が選択肢として登場してきた。

これらは、表面的に見ると無印良品の方向転換にも思えるが、実は、ストーリーとして捉えたときの一貫性はあり、十分に分があるともいえる。

かつては日本における小売りの優等生ともいわれていた「無印良品」だが、さまざまな変化を遂げながら、現在でも迷いながら経営を続けている。その進路がどのようになるのか、今後の動きに注目したい。

谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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