ふかわりょうが"サイテー男"の小説に込めた思い 「B面があるからA面がある」その言葉の真意は

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小説として着手したのは1年以上前のこと。

それなりの時間や工程を経ているが、書き出した頃より「その渦が、より強くうねり出した実感はある」という。

あえてコンプラ無視の内容に

ふかわさんといえば、お笑い芸人として「小心者克服講座」でブレイクし、現在は番組MC、DJ、エッセイストなど、独自の視点と感性を武器に幅広いジャンルで活躍している。

「普段、仕事をするうえでコンプライアンスは無視できませんが、今回の作品では特に意識していません。むしろ、人々がそういうものに直面したときに、どう受け止めるか。(そこを描きたくて)ルールはそんなに重視していない」そうだ。

もともと、「いいひと」という言葉に興味があったというふかわさん。

しかし、「10年前には時代の渦ができていなかったので、仮に『いいひと、辞めました』という同じタイトルで小説を書いたとしても、中身は違うものになっていた」という。

ふかわりょうさん
(撮影:梅谷 秀司)

同じ『いいひと、辞めました』という題材で、10年前のふかわさんと、今のふかわさんではどのように描き方が変わっていたのだろうか?

「教科書に載るような偉人たちが功績を残している一方で、プライベートは破綻していたりする。

現在、そういう事象を、たびたび耳にします。今、そういった現象に直面したとき、社会はどのように判断するかという局面に来ている。そういうところは10年前だったら、多分織り込んでいなかったと思う」

たとえば、作品の中では、ドストエフスキーやベートーベン、石川啄木など、誰もが知る世界の文豪や作曲家、画家たちのサイテーな私生活のエビソードがずらりと並ぶ。

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