「仕事デキない東大生」学歴のために犠牲にした事 社会人として身に付けたい「大事な3つの要素」

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先ほどの上司の連絡に、話を戻しましょう。Aの文面は、学生時代に部活をやっていた人だったら送らないと思いますが、そういう機会がなくすごしてきたら、仕方がない面もあります。

「勉強ではうまくいっていたのに、社会に出てから全然うまくいかない」と高学歴の人自身も考えることが多いですが、それは単純に、勉強の場と会社では求められているスキルが違っているからです。

高学歴で「労働者としての能力」「同僚としての能力」があまり高くない人は、本人の問題というより、機会がなかったから学べなかったのでしょう。

労働者・同僚としての能力を身に付ける

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重要なのは、これから、②労働者としての能力、③同僚としての能力を身に付けてもらうような指導をすることです。

初めから「労働者としての能力」「同僚としての能力」が完璧な人はなかなかいません。

高学歴の彼ら・彼女たちが「専門家としての能力」のスキルを努力で身に付けたとおり、努力で「労働者としての能力」「同僚としての能力」も身に付けてもらう必要があります。

もし職場で高学歴なのに、なかなか仕事ができない部下を抱えている場合でも、きっと大丈夫です。彼ら・彼女たちは、これまでその能力を得る機会を別のところに当ててしまっていただけで、これから伸びる人たちです。

むしろ高学歴の人は、学ぶ能力自体は高いので、スキルとして身に付けていけば、仕事をするうえでも、高い能力を得ることができるようになります。最初こそ「東大生なのに……」と思うかもしれませんが、きちんと指導すれば、きっと学んでいけるはずです。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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