水原氏「違法賭博問題」が大谷翔平を揺るがす事情 永久追放処分も出た「野球賭博」という根深い問題

✎ 1〜 ✎ 173 ✎ 174 ✎ 175 ✎ 176
拡大
縮小

2016年には、読売ジャイアンツの選手が関与した「野球賭博事件」が発覚した。前年オフに巨人の練習施設に、ある人物が「野球賭博で負けた借金」を取り立てに来たことから事態が発覚。賭博に関わった巨人の福田聡志、笠原将生、松本竜也の3選手が契約解除され、高木京介が失格処分となった。また巨人の球団代表も引責辞任した。

「黒い霧事件」以来、47年ぶりの大スキャンダルだった。この事件を機に、NPBと各球団は「再発防止策」を強化した。現在では新入団選手はNPBや球団の講習で「野球賭博」などの「有害行為」についての講習を受けることになっている。

こうした野球賭博、八百長事件は韓国プロ野球(KBO)や台湾プロ野球(CPBL)でも起こっている。特に台湾の場合は、2008年、球団ぐるみの八百長事件で、米迪亜ティー・レックスが、球団ごと永久追放されるなど、大規模な八百長、野球賭博事件が何度も起こり、それが台湾プロ野球発展の最大の阻害要因になっていた。今では台湾政府の総督府が後ろ盾になり、CPBLを盛り立てている。

アメリカでは盛んな「スポーツベッティング」

野球は人気スポーツだけに、賭けの対象になりやすい。また人気選手には、常に反社会勢力が接近しようとする。野球賭博、八百長の誘惑は、プロ野球界には常に存在している。しかし、野球賭博が一度発覚すると、野球界は回復不能なほどのダメージを負うことになるのだ。

アメリカでは「スポーツベッティング(合法の賭博)」が盛んだ。特にMLBは「ファンタジーベースボール」というシミュレーションゲームが盛んで、数百万人の愛好者がいるとされる。このゲームは、参加者がオーナーの立場で実際の選手を獲得し、実際のペナントレースの動向に従って成績が決まり、一喜一憂する。MLB公式サイトでもこのゲームの愛好者向けに情報提供をしている。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT