2016年には、読売ジャイアンツの選手が関与した「野球賭博事件」が発覚した。前年オフに巨人の練習施設に、ある人物が「野球賭博で負けた借金」を取り立てに来たことから事態が発覚。賭博に関わった巨人の福田聡志、笠原将生、松本竜也の3選手が契約解除され、高木京介が失格処分となった。また巨人の球団代表も引責辞任した。
「黒い霧事件」以来、47年ぶりの大スキャンダルだった。この事件を機に、NPBと各球団は「再発防止策」を強化した。現在では新入団選手はNPBや球団の講習で「野球賭博」などの「有害行為」についての講習を受けることになっている。
こうした野球賭博、八百長事件は韓国プロ野球(KBO)や台湾プロ野球(CPBL)でも起こっている。特に台湾の場合は、2008年、球団ぐるみの八百長事件で、米迪亜ティー・レックスが、球団ごと永久追放されるなど、大規模な八百長、野球賭博事件が何度も起こり、それが台湾プロ野球発展の最大の阻害要因になっていた。今では台湾政府の総督府が後ろ盾になり、CPBLを盛り立てている。
アメリカでは盛んな「スポーツベッティング」
野球は人気スポーツだけに、賭けの対象になりやすい。また人気選手には、常に反社会勢力が接近しようとする。野球賭博、八百長の誘惑は、プロ野球界には常に存在している。しかし、野球賭博が一度発覚すると、野球界は回復不能なほどのダメージを負うことになるのだ。
アメリカでは「スポーツベッティング(合法の賭博)」が盛んだ。特にMLBは「ファンタジーベースボール」というシミュレーションゲームが盛んで、数百万人の愛好者がいるとされる。このゲームは、参加者がオーナーの立場で実際の選手を獲得し、実際のペナントレースの動向に従って成績が決まり、一喜一憂する。MLB公式サイトでもこのゲームの愛好者向けに情報提供をしている。
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