激務でも心が折れない人が持つ「3つの習慣」 ネガティブ感情はこう「流す」
1つ目の「ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切る習慣」が大切なのは、ネガティブな感情は私たちの精神的な落ち込みを深くさせるだけでなく、仕事や人間関係に支障をきたすからです。特に、会社でなかなか評価されない人は、実は自分ではコントロールできないネガティブな感情に無意識のうちに妨害されているのではないでしょうか。
ある企業に入社して2年目のAさんは、上司に対して不満を持っていました。自分を一人前として認めてくれず、仕事を任せてくれないというのです。査定での上司からの評価がいまいちだったのも、Aさんにとっての逆境となりました。その会社は歴史があり経営も安定していましたが、より有意義な仕事ができそうな企業への転職も考えていました。
ところがその上司も、Aさんの取り扱いに悩んでいたのです。Aさんに何か新しい仕事を頼んでも、すぐに「無理です」と言って断ることが口癖になっていたからです。
その上司が若い頃も、難しい仕事を頼まれたときは、申し訳なさそうに「無理です、すいません……」と頭を下げて断っていたこともありました。ところがAさんは、堂々とした態度でキッパリと「無理です!」と断るのです。上司もその態度にはカチンとくることもあり、対処することもできずに頭を抱えてしまうということでした。
新人のAさんが新しい仕事を任されても、思わず「無理です」と断ってしまう背景には「失敗することの不安」が隠れています。学生時代に失敗をあまり経験せずに過ごしてきたので、失敗への耐性が少ないことが考えられます。その結果、不安感情に支配され、「回避」という突発的な行動に走ってしまうのです。
ネガティブな感情が問題行動を引き起こす
ネガティブな感情を自分でうまくコントロールできないと、逆に支配されてしまいます。その結果、新人のAさんのように無意識のうちに問題行動を起こしてしまうことがあります。
たとえば、不安の感情は勇気ある行動をくじかせ、行動を回避させます。恐れの感情は、リスクから逃避させ、怒りは攻撃の行動を喚起させます。
私たち日本人によくある感情が「恥」です。人は羞恥心をもつと、隠遁(いんとん)の行動を起こします。これは、いわゆる「引きこもり」です。このように、ネガティブ感情はうまく対処しないと、問題行動の原因になるのです。
さらに、ネガティブ感情は人を介して伝染することがあります。たとえば、あるひとりの社員がメンタル不調になり欠勤・退職をすると、その組織全体に憂鬱感が漂うことがあります。また、部署のリーダーが弱気で物事をきっぱり決められないと、その職場全体にどんよりした停滞感が広がることもあります。
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