アメリカの話し方教室では「あいづち」を重視する 現地の学生が通うスクールの授業内容とは?

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ただし、同調については過度にアピールしてしまうと、相手に「あ、自分に好かれるために無理して合わせようとしているな」と見透かされてしまう可能性があるので、過度な同調で媚びているように感じさせてしまわないように注意が必要です。

たとえば、「私は『グリーンブック』という映画が好きなんです」と言ったときに、相手が「はいはい、私もその映画は大好きです!」と答えたら、感性が合うと思い話を続けたくなるでしょう。そして「白人の主人公が黒人ピアニストに心を開いていくストーリーがいいですよね」と言うと「そうそう! ストーリーが良すぎ!」と答えてくれたので、共感されていると思い嬉しくなり、さらに「あと、白人の主人公が黒人ピアニストに心を開いていく様子を演じた俳優の演技力にも感動したんだよね」と言うと「わかるわかる! 超演技派だと思ったー!」と続きました。

そろそろ違和感を覚え始めますよね。これは話を盛り上げようと無理な同調をしてしまった例です。この後何を話しても「さすが! 私もそう思った!」「その通り! 名作ですよね!」など同調され続けると、不審に思ったりがっかりしたりしてしまうかもしれません。

「まさに!」「確かに!」「本当に!」「その通り!」「さすが!」など「同調あいづち」+「強調あいづち」になると話し手は自信を高め気持ちよくなることもあるので好かれるあいづちの一つではありますが、こちらも本心ではなく調子を合わせているだけであればリスクが大きいので気をつけましょう。

共存意識、共感スキル、共聴スキル

共感あいづちはマインドを汲み取る意欲が大切なので、多様性を受け入れる気持ちで使うようにしましょう。そのためには共存意識と共感スキル、共聴スキルを身に付ける必要があります。

共存意識とは、自分と相手の関係を尊重してお互いに調和して生きようとする意識です。多様な価値観を受け入れて対立や紛争を避けようとするスキルです。共感スキルとは、相手の感情や考えに寄り添い理解しようとするスキルです。信頼関係の構築に役立ちます。

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