アメリカの話し方教室では「あいづち」を重視する 現地の学生が通うスクールの授業内容とは?

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このように、相手の様子を把握する機微は対面のレッスンでならばお教えできるのですが、さすがに文章ではお伝えするのが難しいところです。場数を踏んで身に付けていくしかありません。

ただ、黙って頷くことが上手になっていることを確かめられる場があります。講演会などで講演者と目が合う席に座り、講演者の発言に対して頷いてみるのです。もし講演者にとって絶好のタイミングで頷けるようになると、講演者はあなたばかりを見て話すようになるでしょう。この段階になると、もはや講演者はあなたのために話している状態になりますので、とても充実感を得られますよ。

また、推進あいづちに限らずあいづちを打つタイミングの取り方のコツは、カラオケで他の人が歌っているときに合いの手を入れたり、手拍手やタンバリンをたたいたりするタイミングを参考にするとよいでしょう。

これはきちんと目的を持って意識して臨めば、タイミングや話のリズム感を摑めるので、とてもいいトレーニングになります。そして歌っている人は、あなたに好印象を持ちますから、一石二鳥ですね。あいづちが上手になってくると、相手に「この人に話すときはつい乗ってきて時間を忘れて喋りすぎてしまうな」と思われるようになります。ここまでくると、あいづちスキルを身に付けたと言えるでしょう。

②「共感あいづち」のパターン

他にもあいづちを紹介しましょう。「共感あいづち」は、相手の意見や感情に対して共感を持っていることを表すあいづちです。

たとえば「そうだったんですね」「それは本当に〇〇な状況ですね」などと使います。このようなあいづちを打つことで、相手の立場に立って、相手の考えや感情を理解していることを伝えます。

会話では事実の交換だけをしていても盛り上がりにくいのですが、共感あいづちを打つことによって理解が深まり、会話に熱がこもるようになります。したがって、このあいづちを使うためには相手の発言から言語の理解だけでなく、相手の感情や考えまでを汲み取る意欲が必要です。

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