「キラキラネーム」の規制、その気になる行く末 蘇我入鹿や源頼朝も?過去の偉人にも実は多い

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光宙(ぴかちゅう)、龍飛伊(るふぃ)、今鹿(なうしか)など、キャラクターと同じ名前などで、本来の読み方とは違う漢字を当てはめたり、わざわざ英語の発音で読ませたりする「キラキラネーム」に眉をひそめる人は少なくない。

議論に当たった国の法制審議会の部会が行ったアンケートにも、否定的な声が多く寄せられた。

だが、その一方で、日本にはその漢字の音訓とは違う読み方をさせる「名乗り訓」という慣習があるなど、独特の名付け文化が定着してもいる。

「そもそも、キラキラネームという言葉自体に明確な定義がなく、その名前をどう感じるかは、たいてい人それぞれの直感に過ぎません」

こう話すのは、日本製の漢字である「国字」研究の第一人者で、法制審の部会で委員を務めた早稲田大学教授の笹原宏之さんだ。

「源頼朝」もキラキラネーム?

「日本の長い歴史の中で、その当時はとっぴに思われたかもしれない名前だったり、漢字本来の意味とは違ったりする名前は数多く登場し続けてきました。

わが子の名前には特別な意味を込めたいという思い入れから、独自の読み方でもいいじゃないかと考えるようになったのだと思います」

笹原さんによると、すでに平安時代の国語辞典には名乗り訓と同じく、名前に使われる漢字と読み方をまとめた記述があったそうだ。

われわれが知らないだけで、実は大昔も今も“キラキラネーム”のような名前はたくさんあり、その後、定着したものも少なくない。

たとえば、飛鳥時代の豪族・蘇我入鹿(そがのいるか)、同じく飛鳥時代の将軍・阿倍比羅夫(あべのひらふ)などはその典型だという。

笹原さんによると、入鹿は哺乳類のイルカ。比羅夫は当時「比羅夫貝」とよばれる貝が生息しており、それにちなんだ名前ではないかと考えられる。

「ひらふさんって、なかなかお目にかかることのない名前ですよね。教科書に載っているほどの人物だから、私たちはそれを批判することなく受け入れているのです」(笹原さん)

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