「キラキラネーム」の規制、その気になる行く末 蘇我入鹿や源頼朝も?過去の偉人にも実は多い

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現代の有名人では、布袋寅泰さんの「寅」(とも=寅僚<同僚のこと>などの熟語から)、堺正章さんの「章」(あき=あきらかにするの意)、宮崎駿さんの「駿」(はやお=足の速い優れた馬+男)、浅野温子さんの「温」(あつ=あたたか)、中村雅俊さんの「雅」(まさ=正しいの意)も名乗り訓。

数えきれないほどに事例はある。

「海(まりん)」は約1000人いる

改正法の施行後にどのような読み方がNGとなるかは、まだはっきりとは分かっていない。

今後、法務省がガイドラインとなる通達を出すが、法務省によると「高」を「ひくし」、「太郎」を「じろう」「まいける」などは、読み間違う可能性が高く、混乱を招くとして認められない方向だ。

笹原さんも「自由と放埓は違います。自由とは、責任が伴うものです」と強く指摘する。過去には排せつ物を連想する名前を付けられ改名した人も複数いて、名前によっていじめやからかいを受けた人も少なくないからだ。

「親が、子どもの幸せではなく、自分が楽しければいいという発想だけから名前を付けるのはよくないと思います。直感で素晴らしい名前が思い浮かぶことも、もちろんあるでしょう。

ただ、子どもが一生、びっくりされ続けるような名前ではないか、周囲にも苦労をさせないか、想像力を働かせることが大切です」(笹原さん)

一方で、キラキラネームとも言われる「海(まりん)」さんは、すでに約1000人いるそうだ。昭和の一時期に隆盛を極めた「子」のつく名前の女の子は、今では少なくなった。ちょっと昔には「水商売に多い」などと揶揄(やゆ)された女性の名前が、その後、定着したこともあるという。

流行は移り変わる。

「日本では大昔からさまざまな名前が登場し、流行り、定着し、廃れていきました。法改正を機にそうした名付け文化の歴史を知り、日本語と漢字、名前について考えるきっかけにしていただけたら、偏見も、名前にまつわる不幸な状況もなくなっていくだろう。そう願っています」(笹原さん)

ちょっとびっくりする名前でも、いきなり否定するのではなく、名付け文化の歴史を踏まえつつ、込められた意味や思いを考えてみる。

そんな寛容さが大切なのかもしれない。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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