33年ぶり5%超でも「賃上げ一色」はまだ遠い 春闘で注目が高まる日銀マイナス金利解除の行方
今年は、大企業と中小の賃上げ率の差が広がっており、組合員数300人以上で5.30%、300人未満で4.42%。全体の5.28%の数字はほぼ300人以上の企業での数字だ。
集計に反映された中小企業の組合員は4万人弱と春闘の中小組合員の1割程度。現在交渉中かこれから交渉に入るところが多く、中小の状況が見えてくるのは4月4日に公表予定の連合第3回集計からという。
芳野会長は「中小はこれからが交渉の本番。今回の流れを労働組合のない職場に波及できるかが連合に課せられた使命だ」と気を緩めない姿勢を強調した。そもそも日本の労働者のうち中小企業で働く人が7割を占め、組合組織率は10%以下と低い。
マイナス金利解除で整合性はとれるのか
日銀の金融政策と関連して「賃金と物価の好循環は達成されたと感じるか」との質問に対しては、芳野会長は「今は先行組合の集計結果であるので全体を見てからになるかと思う」と回答を避けた。
日銀の植田総裁はかねて、賃上げの状況を確認するうえでは中小や地方が大事と繰り返してきた。大企業のみのこの段階で、政策修正のための判断材料は十分なのか。市場関係者がマイナス金利解除に前のめりになる中、次回4月25、26日の決定会合まで待つことがリスクとなるにしても、3月に政策修正を決めた場合、これまでの説明とどう整合性をとるのか。
かつてない注目度の中、日銀の金融政策決定会合が近づいている。
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