現代人は「ネガティブな感情が湧きやすい」なぜ 湧いてきた感情を「再評価」すると楽になる
だからこそ、感情に目を向けてほしいのです。感情がなぜ湧いてくるのかを知り、その取り扱い方が分かれば、日々のメンタルの浮き沈みに対して、ずいぶんうまく付き合えるようになります。
「感情はけっこう間違える」という意外な事実
ここで、「感情」が持つ大きな特徴を紹介したいと思います。それは、「感情は、意外と間違える」という事実です。何をどう間違えるかということを理解するために、ここで1つ、イメージしてみましょう。
あなたは1人で山登りに出かけています。順調に山を登っていると、木のかげから突然、ヒグマが現れました。このとき、あなたの脳内では、どんなことが起こっているでしょうか。あなたの脳は急ピッチで作動します。「目の前にクマがいる」 という危険な状況を瞬時に察知し、扁桃体の中の神経細胞を発火させて、「怖い!」という感情を瞬間的に起こすのです。
この恐怖や不安という感情に脳幹が反応し、呼吸を荒くしたり、心臓の鼓動を速めたりして、瞬時に「闘争か、逃走か」という体勢をとります。つまり感情は、思考によって悠長に判断している暇がないその場の状況を、「怖い!(危険だ!)」と瞬間的に判断(評価)しているわけです。
基本的に、自身の生命や生殖が脅かされるときにはネガティブな感情が、その逆の場合にはポジティブな感情が引き起こされます。つまり、感情は私たちの命を守るために瞬時に状況を判断してくれる、すぐれた機能なわけです。
でも実際には、私たちは〝感情に振り回される〞という経験を頻繁にします。なぜ、感情が私たちにとって好ましくない働きをしてしまうのでしょうか。
「山でクマに遭遇する」
↓
「恐怖という感情がわく」
↓
「逃げる」
という判断は、100人いれば100人がそうする明快なものです。しかし、現代社会においては、大昔のように肉食獣に襲われるといった生存危機は、日常生活上でほとんど起こりません。
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