見のがし配信「TVer」の明るい話題が飛び交う事情 ネット上が連日"TVer推し"になったシビアな背景

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TVer関連のポジティブな記事が増えている背景として大きいのは、前述したような右肩上がりの実績をあげていることだけではありません。これは「民放各局がそれだけTVerに力を入れていて、スポンサーや広告代理店などの評価も高い」ということ。さらに裏を返せば、「放送による広告効果や収入の減少が続き、回復が見込めず、いよいよ配信にシフトせざるを得なくなった」ということでもあります。

ドラマ名作が大量配信される背景

冒頭に「コネクテッドTVの月間ユーザー数が前年同月比1.5倍に急増した」とあげましたが、その配信再生数は1億回超。すでに全体の約3割まで高まり、2019年4月のスタートからたった5年で1億超・約3割という数字の伸びに驚かされます。多彩なコンテンツをそろえるNetflix、Amazonプライム・ビデオ、Disneyプラス、U-NEXT、Hulu、Lemino、DAZNなどがあり、同じ無料でもYouTubeという強力なライバルがいる中でこれだけ数字を伸ばし続けているわけですから、世間にアピールするのは当然でしょう。

しかし、これだけコネクテッドTVの利用が進めば、ますますリアルタイムで番組を見てもらうことが難しくなっているのは間違いありません。だからこそ民放各局は、「現時点では配信収入が放送による広告収入に遠く及ばない」という現状の苦しさを承知で顧客を逃さないためにTVerへ誘客しているのです。

さらに言えば、さらに実績を上げることで配信による広告収入をベースアップしていきたいし、できれば自局系配信サービスの有料会員や海外配信などにもつなげていきたい。そのためにはTVerの数字を上げ続けることが必要であり、各番組のスタッフはネット上におけるプロモーションを強化しています。

また、放送中の番組だけでなく過去の名作を配信していることも、「TVerの実績を上げる」という方針を裏付けるものの1つ。事実、現在TVerで「フジドラSPRING!」(~4月10日、40作超)、「TBSドラマ・バラエティ 春コレクション」(~4月19日、58作超)、「日テレ学園ドラマ特集」(~3月13日、13作)、「テレビ朝日開局65周年 ドラマ超特集」(~4月21日、80作超)という新旧の名作が見られるキャンペーンを行っています。

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