「脱原発」か「25%減」か 迫られる究極の選択

「脱原発」か「25%減」か 迫られる究極の選択

節電の夏が始まった。職場も家庭も節電モード一色である。一方、定期検査で停止中の原子力発電所の再稼働は、一向に進まない。菅直人首相が「脱原発」に舵を切り、世論も「脱原発」に急速に傾きつつある。

それでもなお、政府は原発再稼働に意欲を燃やす。電力の安定供給と地球温暖化対策。それを両立させる解が原発であり、その考え方を捨て切れていないのだ。では、「脱原発」と温暖化対策は両立できるのか。

LNGの権益確保を

「脱原発」を進める場合、最大の課題は、当面の電力不足をどう解決するかである。東京電力・東北電力管内の大口需要家に対する15%の「電力使用制限令」や自主的な節電により、この夏の電力危機は乗り切れても、問題は来年以降である。玄海以外の原発を再稼働できなければ、来年夏の時点では電力会社の発電能力は確実に低下するのだ。

このままでは、来年夏には全国54基の原発のほとんどが止まる。日本エネルギー経済研究所によると、原発が再稼働しない場合、東電・東北電管内での15%節電を織り込んでも、来年夏の全国の電力会社の発電能力は、最大使用電力を1・7%下回る。電力安定供給のため最低5%程度の予備率確保を考えると、さらなる大幅節電が必要だという。

「電力が足りないなら、もっと節電すればいい」という意見もある。だが、企業の生産活動には大きなマイナスだ。操業時間シフトや輪番制は、人件費の上昇や効率性の低下をもたらす。すでに産業界からは、「ものづくりの限界を超えた」「設備投資や中長期の事業計画が立てられない」といった声が相次いでいる。

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