中国で「空前の整形ブーム」が起きているなぜ 今後の消費のカギを握る「中女」とは何か

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美容整形の話に戻ると、自称「中女」たちは、「何もしなくていいうちに予防として注射」、または「まだなんとかできるうちに、これ以上ひどくならないうちにプチ整形をしておく」と思うようになり実践する。「すっぴんでもかわいい」のが理想のため、例えば注射やレーザー治療をスキンケアの一部として取り入れている。

高い基礎化粧品より、プチ整形

その結果、それまで使っていた資生堂の「クレ・ド・ポー ボーテ」など高級化粧品をやめ、カネボウや中国国産ブランドのより安価なスキンケアに変更し、美容整形の費用とバランスを取ろうとしているのである。ただし、治療の基準もあくまで自分軸だ。

「しわが多いと夫に文句言われているから来た」と他人目線の理由より、「しわが多少あってもいいと思うが、フェイスラインが気になるので改善したい」といった、自分の価値観や美意識に沿ったケアを希望する人が多い。

もちろん、中国の美容整形業界はまだまだ発展途上であり、リスクやトラブルも多数発生しているし、20代後半になると、中国人女性が全員整形したくなるとはかぎらない。

ただ、美容整形や映画、書籍のトレンドや消費動向から、中国女性の「自我意識」が目を覚ましていることは間違いない。今後、日本企業が中国市場に進出する際の、新たな切り口として、注目していくべきだろう。

劉 瀟瀟 中国若者富裕層ビジネスコンサルティング 代表

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りゅう しゃおしゃお / Xiaoxiao Liu

中国・北京市生まれ。日本にとって最も価値のある中国人に詳しい。2014年からインバウンドと中国消費市場の研究・コンサルティングを始め、2023年1月独立。現在20~40代の消費深層心理に注力し、世帯年収1000万円~10億円の中高収入・富裕層の行動を常に把握。彼らの消費の深層心理を分析し、中国若者・富裕層に対する戦略立案・遂行を支援。
ブランドマネージャー1級。メガバンク中国法人、大手シンクタンクなどで勤務。東京大学大学院修士、カリフォルニア大学客員研究員。首相官邸観光戦略実行推進会議有識者など政府委員を務め、情報発信実績を多数有する。

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