中国で「空前の整形ブーム」が起きているなぜ 今後の消費のカギを握る「中女」とは何か

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こうした女性たちが年齢を重ねる中で、社会環境の変化や、経済力の向上、技術の進化があったほか、親世代に比べると「見た目重視」にもなっているのだから、中国の美容やファッション関連市場もそれに伴って成長するのは必然だろう。彼女たちは中国に新しい価値観をもたらそうとしており、これが中国で初めてとなる、若者市場とシニア市場の「間」の市場を生んだのである。

「中女」はいかにして誕生したのか

「中女」はいかにして、新たな市場を開拓するに至ったのだろうか。そこには、彼女たちの「心情変化」がある。

まず、20代後半になった彼女たちは、従来の社会の世論や、メディアに出ている女性に違和感を抱くようになった。40代以上の男性俳優の隣にいるのは、20代のピカピカの若い女優ばかり。30代に入った途端、主演女優でなくなり、40代にもなっていないのに、20代前半のイケメンの母親役ぐらいしかない。

理想の男性の基準が「高・帥・富(身長が高く、格好よく、お金持ち)」に対し、女性に対する評価基準は「白・痩・幼(肌白・スリム・幼い感じ)」。本来なら人として成熟を迎え、一番輝くべき20代後半から40代の女性は、どのように生きていくべきか、一生懸命悩んできた。

その前の世代に比べると、教養も視座もはるかに高い彼女たちは、例えば海外のドラマ・映画・書籍・SNS発信、または自らの留学経験から、新たな発見をする。それは、「自分の意志で選択をする」「年を取っても、美を追求する権利も能力もある」、そして、「自分は自分を癒やし、楽しく生きる」ことだ。

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