中国で「空前の整形ブーム」が起きているなぜ 今後の消費のカギを握る「中女」とは何か

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2019年の1000人当たりの美容整形の数を見ると、日本は27回、アメリカは52回、そして韓国の86回に対し、中国大陸は17回しかない。また、アイドルの影響もあり、男性の美容意識も高まっていることや、北京・上海などだけでなく、2線、3線都市でも美容への関心が高まっていることなどから、今後のポテンシャルが非常に大きいといえる。

一方、中国の特徴としてあげられるのが、「メスを入れる」整形よりも、レーザー治療や、ヒアルロン酸など注射など身体への負担が小さく、リスクが低めの「プチ整形」が好まれている点だろう。

「見た目も心を表わす」からキレイになりたい

過去の記事でもよく紹介しているが、中国では世代間の格差が非常に大きい。特に1950~60年代生まれた親世代と、1980~90年代に生まれた子世代の間に、雲泥の差といってもよいほど、価値観・消費観の違いがある。

親世代は中国伝統思想に大きく影響され、「身体髪膚、授之父母(身体の全部は親からもらったもので動かしてはいけない)」「自然が一番、化粧品には化学成分があるので身体に悪い」「お化粧や見た目を重視する人は心が空っぽ」など、自然美が一番と考えられ、「外見美」に関する消費意欲が低い。

一方、彼らの子供世代に当たる現在20~30代の人々は、先進国の感覚に近く、「見た目も心を表す」という思想を持っている。身体に負担をかけないことを気にしながら、特に日本・韓国のアイドルや、一般人のメイクアップと肌質に憧れ、化粧品やファッションに投資をする。

お馴染みの爆買いも、親世代は炊飯器・温水洗浄便座だが、若い世代は化粧品やファッションを求める。彼女らが10代の時から、韓国の美容整形が有名になり、中国国内でも徐々に広まりつつあったため、認知度が高い。周りの1人、2人は二重まぶたの手術を受けたことがあり、まったく新しいことではない。

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