地震大国の日本、今の「住まい」で確認すべきこと 戸建て、マンション、賃貸それぞれの対策とは
過去の震災では新耐震基準であっても倒壊した事例が報告されている。「新耐震」とはいえ、1981~2000年まで大きな幅があり、耐震性能にもばらつきがあることも知っておきたい。
2000年基準、中でも「耐震等級3」の水準は高く、震度7を2回記録した2016年熊本地震においても軽微な被害で済んでいる。
いずれにせよ自宅の現状を確認し、必要に応じて耐震補強を行うことも検討しなければならない。一度はお住まいの自治体が案内する診断を受けるようおすすめする。補助金など耐震改修工事のサポートを行う自治体も少なくない。
また簡易的ではあるが、『誰でもできるわが家の耐震診断』(監修:国土交通省住宅局:一般財団法人日本建築防災協会)を活用し、住まいの状態をシミュレーションしてみるのもいいだろう。
賃貸アパートなどにお住まいの方も同様だ。やはり旧耐震の場合は、倒壊のリスクが高いため、可能であれば2000年以降に建てられた物件を探すよう推奨したい。
また、過去の震災では、賃貸アパートでは、1階部分が倒壊するケースも多数見られた。耐震性が低い賃貸アパートであれば、1階ではなく2階に住むのも一案と言えよう。
マンションでは原則在宅避難を念頭に
ではマンションに居住する場合は、どのような防災対策が必要になるのだろうか。
まず「倒壊」に関しては、木造住宅よりリスクが少ないとされているため、基本的には「在宅避難」が前提となる。
マンション特有の事情として考えられるのは、エレベーターが停止するリスクだ。停電などで緊急停止した場合、中に閉じ込められてしまうおそれがある。
したがって、中高層の階から地上に避難する場合には非常階段を使い、落ち着いて避難するよう心がけたい。停電に加え断水、断ガスが長引く可能性もある。マンションでの在宅避難を実施するため、「自助」だけで1週間は持ちこたえられるよう準備が必要だ。
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